Vol.134 03年3月28日 週刊あんばい一本勝負 No.131


さあ、新刊ラッシュがはじまるゾォ

  何十年経験しても思い通りにならないのが新刊の「刊行予定」というやつである。遅れるのはまだわかるのだが、年に2回ほど集中的に刊行時期が固まってしまうというこの悪習は、いったい何が原因なのか、当事者であるわれわれもよくわからない。たぶん印刷所の事情がもっとも大きな要因なのだろうが、印刷所はそのことを認めようとしない。私たちに落ち度があるとすれば一体何? それはともかく今後約1ヶ月間の刊行予定です。これらは決定した期日ですので大きくずれる可能性はありません(…といいのですが)。9点の新刊です。これは記録かもしれません。5月もこれと同じようなスケジュールですから4月5月で年間刊行予定の半分の本を出してしまうことになります。これはやはり異常です。
 この新刊ラッシュに呼応して「さきがけ新報」にも朝刊一面全3段広告を、4月12日、4月30日、5月2日と連続で打ちます。あわせてDMも出す予定です。
(あ)
3月31日
「海の総合商社 北前船」2500円
4月1日
「秋田の桜」1500円
4月2日
「ラルート」26号 非売品
4月5日
「人ありき 東北歴史紀行」1800円
「自閉症教育が楽しくなる本」1800円
4月9日
「北とうほく花の湿原」1600円
4月10日
「写真帖・40年前の秋田市」1800円
4月18日
「新道の駅とうほくガイド」1200円
4月30日
「父と子写真劇場・秋田市街角いまむかし」1800円

スケジュール表の赤色が新刊の出る日

沖縄の歌に乾杯

 コンサートで訳もなく感動して、目頭が熱くなるということを久し振りに味わってきました。宮城県古川市で開かれた、「ネーネーズ」のメンバーだった、古謝美佐子さんのソロコンサートでのことです。私が行きたがっていることを知っていた河北新聞の古関さんから「招待券があるのでどうですか」と声をかけられ、一もニも無く「行きます」と大喜びで会場に足を運びました。古川市はササニシキの生まれ故郷の街で、農村に囲まれているためか、ほぼ満員のホールはお客さんも建物もなかなかローカル色あふれるいい雰囲気です。

古謝さんのCD「天架ける橋」
 古謝さんは1954年沖縄生まれ。1990年から5年間ネーネーズにリーダーとして参加。脱退後は沖縄をベースにソロ活動をしている人で、9歳でレコードデビューしてから40年間歌い続けている沖縄民謡界を代表する実力派です。私はネーネーズ時代からの隠れファンで、2年前に出た「天架ける橋」も、私の愛聴盤ベストテンの1枚として挙げたいくらい気に入っているCDです。沖縄民謡を歌う女性たちの魅力に、透き通るような高音の歌声がありますが、その中でも古謝さんの声は別格。「情け歌」と言われるしっとりとした情感をこめた島歌を聴くとため息が出てしまいます。最近はアイルランドの人気グループ「チーフタンズ」のステージにゲスト出演することもあるため、気に入ったアイルランド民謡に自分で沖縄の言葉で詞を付けています。その曲を歌ってくれましたがあまりに素晴らしく、これ1曲聴けただけでもわざわざ来た甲斐があったとしみじみ思いました。
 偶然にも泊まった古川のホテル近くに、アイルランドから樽で空輸したギネスビールを飲ませるパブがありました。もちろんその夜はひとりギネスで、古謝さんに乾杯です。
(鐙)

柴田から島田に変わりました

 先日、結婚をしました。結婚式や披露宴はしたくないと思っていたので、入籍だけのシンプルなものでしたが、無明舎の皆が盛大なパーティーを開いてくれました。会場は以前にも行ったことのあるとてもおいしい和食屋さんなので、だいぶ前からパーティーの日を心待ちにしていました。当日は山形県や青森県から来て下さった人もいて、おいしいお酒の差し入れもあり、にぎやかに私たちを祝福してくれました。
 結婚してもバリバリ仕事は続けるつもりです。名字の変化が微妙なせいか、なかなか慣れずについ自分から「柴田です」と言ってしまうのですが、新しい名字に早く慣れたいと思います。
(島)

究極の甘ものか? 青い花のスウィートポテト

 このところ続々と甘い物が集まりだして糖分はいいと思っていましたら究極の一品が届きました。弘前市の出身で現在羽後町在住の神馬恭子さんが弘前市の銘菓中の銘菓「青い花のスウィートポテト」を送って下さいました。神岡町の「そばを食べる会」でご一緒した後、青森の入手困難な銘酒「田酒」を辛党の安倍社長と鐙編集長に送って下さったばかりです。そしてこんどは甘党のために「スウイートポテト」です。なんと気配りの届いた方でしょう。社長は「私の友人なので他の人には食べさせたくない」という顔つきでしたが、舎員みんなで午前の「芋茶会」を開催しました。

これがスウィートポテト・全員で芋茶会
 今、ホームページで「甘い物」連載をしているぼくは「甘党スケープゴート」のようにデブにされかけていますが、このスウイートポテト、一口食べたみんなの目が驚きでサンカクになりました。実はなんのかのいいながら、みんな「隠れ甘党」なのです。それにしてもこの甘いサツマイモ菓子の美味しいこと。芋の甘さは自然からの贈り物、まるで「洋風焼き芋」です。味にうるさい舎員全員、なめらかな食感とほど良い甘さにたちまち口内ジャックされてしまったようです。長さ20センチほど、重さ600グラムもあるどっしり感も説得力抜群。このスウイートポテトには、どんな紅茶が合うのかなあ、とぼくは深刻に考え込んでしまいました。いえいえ、決してもう一回食べたいという催促ではありませんよ神馬さん。どうも本当にご馳走さまでした。
(優)

今週の花

 今週の花はアイリス、リャトリス、カーネーション、ソニタラ、菜の花。 アイリスはアヤメ科の植物全体を指します。アヤメとショウブとカキツバタはほとんど見分けがつきません。強いて言えばアヤメは花びらの付け根に縞模様があり、カキツバタは花びらに斑点が数個あること。それ以外がショウブという覚え方でほぼ正解します。花びらを間近で観察できない場合の判断材料は場所です。水中ならカキツバタ、水と関係ないところならアヤメ。湿地の場合はどれも可能性があるので勘です。
 アヤメもショウブも「菖蒲」と書きます。普通ショウブと言うとハナショウブのことを指します。ところが本当のショウブはサトイモ科で、花はガマの穂にそっくりです。
(富)

No.131

まぼろし健康道場(平凡社)
倉本四郎

 にんにく、腰湯、クロレラ、備長炭、亀の子タワシに活元運動、禁煙、バイアグラ……そのどれもがダメだった、と著者はもちろん1行も書いていないが、手放しで賞賛もしていない。手だれの書評家による「民間療法健康漫遊録」というのにまずは驚いたが、中身はさすが凡百の健康本とは一味も二味も違うレヴェルの高い仕上がりで、作品として長期使用に耐える一冊だろう。苦痛と退屈しかもたらさない近代医療(病院)を信じていないことが民間療法信奉のベースにあるにしても、一歩間違えば宗教へとなだれ打ってしまう危うさを十分承知で、そのへんを真剣に遊んでいるという風情がかっこいいのかもしれない。
 そんな著者が野口整体の活元運動だけは、最後までその効果を信じているのが興味深い。前述した民間療法の中でも飛び切り非科学的なものにひかれる著者の神髄である。連載最後になって皮肉なことに(本にとっては幸運なことに)食道ガンになるというクライマックスが加味され、本書の輝きはいや増した。見事な1冊。

このページの初めに戻る↑


backnumber
●vol.130 3月1日号  ●vol.131 3月8日号  ●vol.132 3月15日号  ●vol.133 3月22日号 
上記以前の号はアドレス欄のURLの数字部分を直接ご変更下さい。

Topへ