Vol.148 03年7月5日 | 週刊あんばい一本勝負 No.144 |
今年から舎員旅行は方向転換 | |
このニュースが届くころには、鐙、富山、島田、それにフリーライターの永井登志樹の4人はアムステルダム経由のKLM航空でアイルランド旅行に出発しています。 | |
いわゆる舎員旅行ですが、いつもと違うのは今年から志願プラス希望制度をとりいれ、行きたい場所に行きたい人だけが行く、という方針に切り替えたことです。「もうゾロゾロ雁首揃えて団体旅行でもないでしょう」という現代的な事情もありますが、行きたくもないのに強制的、組織的に外国に連れて行かれるのはたまらない、という空気があったのも事実です。そこで今年は行きたい人の希望を聞き、それに経営サイドの評価を加味して旅費を賞与として出す形をとりました。さらに舎員だけでなく毎年ひとり、その年にもっとも無明舎に貢献したフリーランスのライターやカメラマン、デザイナーを選び、連れて行くことにしました。今年は『秋田の桜』『東北の湯治場 湯巡りの旅』と半年間で2冊の著書を出し、それ以外の制作本でも大活躍してくれた永井さんが選ばれました。アイルランド旅行はタブリン市を拠点にレンタカーで8日間をかけて島内巡りするというものです。お仕着せのパック旅行から開放され、無明舎の舎員旅行も一歩前進といったところです。
(あ) |
アイルランドで鐙が去年撮影した写真 |
歩くモバイル青年・田嶋直樹クン | |
6月30日、31歳になる岐阜生まれのフリーライター田嶋直樹クンが事務所を訪ねてくれました。彼は今年の四月に日光を歩いて出発、福島、宮城、岩手を踏破し、この29日に青森の竜飛岬に到着、東北徒歩縦断、自然歩道の旅を終えたばかりで、帰途、無明舎に立ち寄ってくれたものです。彼のことは福岡の葦書房が出した『九州自然歩道を歩く』という著書で知っていましたが、今回の訪問も『東北自然歩道を歩く』(仮題)という本を出してほしいという出版依頼のためです。彼の旅が面白いのは携帯電話片手にテントや野宿をし、毎日ネットやメールで全国の人たちと交信しながら旅をしている点です。これは今までになかった「旅の形」で興味深いところです。そのへんをメインにしたユニークな旅の本を作ろうと、一致を見ました。出版は来年春頃になる予定です。こう御期待。
(あ) | 事務所前の田嶋クンと著書
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写真帖『路上の記憶』ツメの作業中! | |
ながい間編集作業に苦しんできた『CD−RM版秋田のことば』のマスターをようやく大日本印刷に入稿し、舎内には安堵の風が流れています。ほとんど富山が四六時中この作業に関わり、ここ数ヶ月、土日も休まずに作業をしていました。夜中に事務所に電気がついていない、という環境をひさしぶりに経験しています。入れ替わりに、これもながく編集作業が続いていた、あの『雪国はなったらし風土記』の続編『路上の記憶』が8月末刊行を目指して編集作業の最後の詰めに入っています。「はなったらし」のときもそうでしたが、編集しながら笑いが絶えない本で、作っている人間が楽しくてしょうがないものは、過去の経験からいってヒット間違いなし、と舎内では勝手に盛り上がっています。とにかく面白いし、懐かしいし、ちょっぴり哀しくて、ときおりズッコケ、腹を抱えて笑える仕上がりになっています。昭和30年代の失われてしまったアウトドアでの暮らしや遊び、商売やパフォーマンスをこの一冊でご堪能ください。A5版130頁、定価は1800円です。 (あ)
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『路上の記憶』のカバーと杉浦康平デザインの『秋田のことば』表紙
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