Vol.156 03年8月30日 週刊あんばい一本勝負 No.152


9月、本格的な忙しさへ

 8月いっぱい、経理上の問題などもあり新刊はひとまずお休みしました。ですから8月は増刷を含め新刊ゼロ、という珍しい記録を残しました。新刊は出なくても秋の新刊のための準備で、いつも通りの忙しさなのですが例年に比べると緊張感のない暑くない夏、といったところです。
 ISO担当の島田だけは取得審査が最終局面に入り、お盆もまったくとらず孤軍奮闘していましたが、この8月末から1週間休みをとり不在です。鐙編集長は北海道取材中で帰ってくるのは9月初旬になりそうです。営業の岩城は仙台を中心に書店回りをしていますし、渡部はしょちゅう外との連絡で不在ですので事務所内は閑散としています。ドタバタした活気がもどってくるのは9月10日あたりからになりそうです。
(あ)

閑散とした事務所

ナイター競馬に行ってきました!

 前から行きたかった競馬に「生まれてはじめて」行ってきました。東京の大井競馬場で開催されているナイター競馬で五レースほど遊びビギナーズラックで2レースを的中、収支はトントンで十分楽しんできました。連れて行ってくれたのはパズル出版社『ニコリ』の社長・鍛治さんで、彼は「病こうじて」競馬の本を出したほどのプロで、つい先日もウン百万円の馬券をあてたそうです。鍛治さんの指南で馬券の買い方やパドックでの馬の体調、地方と中央の競馬場の違いなどを克明にレクチャーしてもらいました。まったくといっていいほど賭け事に興味がないのですが一年に一回、無性にパチンコがやりたくなる時があり、先日もそんな気分になり行ってきました。結果は必ず勝ち、それが例年のパターンです。なぜなら「玉が出たら、そこでやめる」から。勝ち負けがわかる前に面倒くさくなって、時間がもったいないと思ってしまうのです。これでは負けようがありません。この30年間、毎日バクチを打ってきたようなものですから、賭け事で胸高鳴るような高揚感を味わえないのかもしれません。 でも、競馬はちょっとこれまでの賭け事とは違っていました。うまく言葉に言い表すことができないのですが、「けっこう面白い」というのが正直な感想でした。
(あ)

これが「ニコリ」の鍛治さん。

パドックの風景

今週の花

 今週の花は鶏頭、カーネーション、デンファレ、ゴットセフィアーナ。ゴットセフィアーナは模様の入った葉っぱを楽しむものなので、花はありません。以前、そのことに気づかずに残り3枚になるまで葉っぱを切り落としてしまったことがありました。その後は一本づつ確認してからハサミを入れるようにしていたのでそんな馬鹿なことはしなかったのですが、今回、久々にやってしまいました。かろうじて残り5枚のところで気付きましたが、とてもバランスが悪く貧相な花材になってしまいました。こんな姿にしてしまった責任を感じて、何とか存在感が出るように活けようと努力したのですが、力不足でした。
(富)

No.152

雨の名前(小学館)
文・高橋順子/写真・佐藤秀明

 ある季刊誌に「詩のようなもの」を書かせてもらって数年になる。もちろん詩の原稿依頼があったわけではない。たまたま書き手がいないので引き受けたのだが、書きながら「詩っておもしろそう」と詩集や言葉をひねくりだすための参考書を買い求めるようになった。本書はそうした経緯の中で出会った参考書の1冊だが、たちどころに写真やエッセー、語彙の豊富さなど、そのレベルの高さに驚いてしまった。雨の名前が422語、雨の日常の断片を見事に切り取った写真が148葉、雨の詩とエッセー35編が収められている。オールカラー版でA5版160ページ、定価は2400円。これは安い! と叫びたくなるほど中身はこい。常用、汎用に耐えられる使い勝手のいい本である。写真家はアウトドア関係の写真で有名な方だが、文章の高橋さんは、確か(どこにも書いていないが)東大出の優秀な編集者兼詩人で、さきごろ高名な文学者と結婚した人。この夫の文学者の書く詩もいい(詩集は出ていないがエッセー集などに自分の詩を載せている)。名前は車谷長吉、この人の小説は凄みがある。同じコンビで『風の名前』という第2弾の歳時記も出ているが第3弾のテーマはなんだろう。待ち遠しい、出たら買うぞぉ。

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