Vol.160 03年9月27日 週刊あんばい一本勝負 No.156


笠間焼きをたっぷり観て来ました

 秋田高校の前にちっちゃな陶芸店があって、なかなかしゃれた実用食器や花器を置いている。高くないので年に1度は何点か買うのだが、作家のプロフィールを見ると茨城県・笠間焼きの人が圧倒的に多いのが特徴である。お店の主人は笠間焼きが好きなのだろう。いつかはその笠間に行って直接みてみたいと思い続けていたのだが、それが友人のN夫妻の好意で実現した。上野駅から常磐線の特急列車で友部まで出て、そこから車でピックアップしてもらい車でじっくりゆっくり笠間焼き店をはしごできた。あいにくの雨だったが、印象として「安いなあ」というのが一番に感じたことだった。日常で使う焼物がメインなのにも少し意外な感じがした。飲食店経営をする人などがまとめ買いしたり、観光客がバスで押しかけるのも、品揃えに幅を持たせている理由かもしれない。何も買わずに、今回はキズ物屋さんで食器6点を3500円で買い、得した気分。お店では回廊ギャラリー「門」というお店がなかなかのもので、また行きたい町になってしまった。
(あ)

これがギャラリー門の店内

撮影で温泉めぐり

 温泉シリーズ『岩手の温泉』のカバー写真撮影のため、八幡平の松川温泉郷に行ってきました。松川温泉郷には全部で3軒の温泉宿があり、それぞれ個性的なので、3軒で撮影しました。  まずは3軒の中で最も大きい「松川荘」。露天風呂は、広い混浴が1つと女性用が2つ。お湯は真っ白。開放感があるので、つい長湯してしまいます。
 2軒目は「峡雲荘」。場所は松川荘よりもちょっとだけ山道を登ったところ。そのため、露天風呂からの眺めもよく、地熱発電所の湯気が真正面に見えるのも他にはない特徴。お湯は松川荘より少しぬるく、色も黄色がかっているよう。距離は近いのにお湯の感触が異なるのは不思議。

松川荘の女性用露天風呂
 3軒目は「松楓荘」。ここは湯治場の雰囲気で、木造の建物も年季が入っています。混浴の露天風呂からは松川渓谷がバッチリ見え、また、つり橋で松川の対岸に渡ると、岩をくりぬいたような洞窟風呂までありました。テーマパークのようでワクワクする温泉でした。
 撮影後は樹海ライン、八幡平アスピーテラインを通って秋田に帰ってきましたが、途中にも、藤七温泉、大深温泉、ふけの湯温泉、後生掛温泉、大沼温泉、玉川温泉など有名な温泉がたくさん。秋田側も岩手側も魅力的な温泉が数多い八幡平の温泉を、何年かかっても構わないので、すべて制覇してみたいと思ってしまいました。
(富)

現金なスズメたち

 毎年稲刈りのシーズンになると、ちょっと寂しくなることがあります。庭の木にぶら下げている2か所の餌箱に集まるスズメたちが、ほとんど来なくなってしまうのです。理由は田んぼや農家の庭先の落ちているお米を、ふんだんに食べることができるためのようです。私は普段、ペットショップなどから小鳥用の餌を大袋で買ってきて、2日置きぐらいの割合で餌箱に入れます。するとたちまちスズメが集まってきて、多い日は20羽を超えることもあり、チュンチュン鳴きながら餌をついばんでいます。娘は鳥が集まりすぎて少しうるさいといいますが、私は気にしないで餌を与えています。

桜の樹にぶらさげた餌箱
 しかし今年も先週あたりから餌を食べに来る鳥の数がぐんと少なくなりました。秋田市でも稲刈りが始まったためです。でも11月の中旬頃になり、落ちているお米も少なくなると現金なもので、また集まって来ることが分かっています。それまでの2ヶ月間、静かな庭になることでしょう。ちょっとした我が家の風物詩です。
(鐙)

ISOの新たな取り組み

 ISOの取り組みを始めてから、9ヶ月がたちました。今までは紙の使用量や廃棄量を減らすこと、節電、ガソリンの使用量を減らすことなど、省エネ・省資源活動がメインでした。「環境にいいことをしよう」と考えた時に、最初に思いついたのがこういった活動だったのです。半年間継続した結果、目に見えて成果を出すことができました。使用量削減の目標や、実際のデータなどは、HPの「環境方針」からクリックしていくと見られるようになっているので、ぜひご覧ください。
  ところが、成果が出てきたことはとてもうれしいのですが、もともと環境にあまり負荷をかけていない小さな会社なので、いつまでもこういった省エネ活動ばかりを目標にしていては、わざわざISOを取得する意味があるのだろうか……という疑問が最近わいてきました。省エネに関してはこの状態を維持していくことにして、もっと違う角度から環境にプラスになるような活動ができないものかと、考えました。
 そこで安倍と話し合い、今年の後半は、書店とのコミュニケーション・ツールの改革、HPやWebを利用した情報発信などに取り組むことに決めました。まだ手探りの状態ですが、この大々的な取り組みがうまくいくことによって、総合的に無駄をなくし、効率のよい営業や販売の形態を作り出すことができたら、環境マネジメントシステムとしては成功と言えるのではないかと思っています。
(島)

今までの目標と実績

No.156

グッドラックららばい(講談社)
平安寿子

 この人の第79回オール読物新人賞作品『素晴らしい一日』(文藝春秋)が面白かった。名前をどのように読むのかとおもったら「たいらあずこ」だそうだ。アン・タイラーの作品に触発されて小説を書き始めたので、このペンネームにしたという。なんとなくふざけているようでもあり、作風同様ほんわかとしたユーモアも感じる。でも小説が面白ければすべていい。この人の小説はすべて面白い。家出をして何年も帰ってこない母、そのことをなんとも思っていない事なかれ主義の小市民的父、ダメ男に貢ぐのが趣味のOLの姉、立身出世のために猛進する妹…この4人が交互に繰り広げるネオ家族小説なのだが、悲壮感や説教臭さ、教訓めいたとが微塵もない。この家族のデタラメさ、タフさ、身勝手さが嫌味にならないのは作者自身がモラルと常識を笑い飛ばすユーモアを持っているからだろう。ここまで書いて思い出した。アン・テイラーの本に、医者の奥さんがある日突然、海辺の村から見知らぬ職人の車に乗って家出してしまう『歳月の梯子』という物語があった。そうか、あの小説をモチーフにしたわけだ。でも面白いからいい。

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