Vol.170 03年12月6日 週刊あんばい一本勝負 No.166


納品書が変わりました

 以前この週刊ニュースで、納品書と郵便振替用紙を一体化させようと考えていることを書きました。だいぶ日にちがたってしまいましたが、やっと新しい納品書が出来上がり、今日から使い始めます。
 今まで本を発送する時には、A4の納品請求書、代金・注文番号を手書きした郵便振替用紙を同封して送っていました。新しいタイプのものは、納品請求書の印刷時に郵便振替用紙にも「ご注文主の名前・住所・注文番号・金額」がプリントアウトされるので、発送するこちらも送金するお客様も、手書きで記入する手間が省けることになります。7月に佐川急便の送り状印刷ソフト「e飛伝」を使い始める前、送り状も手書きをしていた時代から比べると、梱包・発送にかかる時間を3分の1くらいに短縮することができました。
 やろうと決めてから実現するのに時間がかかってしまったのには、少し笑える理由があります。以前から使っていた郵便振替用紙は、20数年前に郵便局から承認をもらったものですが、なぜか承認番号が明記されないままOKをもらってしまったようなのです。今回新たに郵便振替用紙を作るにあたり、そのときにもらった承認番号を調べなければならなかったのですが、その作業が想像以上に難航しました。舎内には当時の担当者がもういないのと、引越しをしているために、まったく記録が残っていません。郵便局のほうでも、昔にとった承認番号を探し出すのはとても難しいらしく、数週間かかって「見つからない」という返事が来ました。そこで承認番号を探すのをあきらめ、新たに申請することになったのです。今度の郵便振替用紙には、ハッキリと承認番号が印刷されています。これからも、業務効率を上げたり、節約したりできる部分は積極的に変えていき、読者にとってより良いサービスができるように心がけていきたいと思います。
(島)

新しい納品書

ストーブが着火しないゾ!

 今年の寒さは半端ではなさそうな予感がします。まだ寒さの入り口のようなものですがウチのストーブの調子がこの1ヶ月ぐらい最悪で弱りきっていました。ときおり灯油ストーブにタンクから油が送り込まれなくなり、空回りのカタカタという音がして消えてしまうのです。電気屋にきてもらったりタンクの施行業者にも何度かチェックしてもらったのですが原因はわからずじまいでした。自分の身体に不調が生じたとき、いつ、どんなきっかけから変になったのかを徹底推理するのが好きな小生は機械的原因より、その「故障のきっかけ」に注目して考えてみました。
 結論はISO取得のため新しいタンクを導入して古いものとの棲み分けをした時期から不調が発生していることをつきとめ、タンクの施設時に問題があると確信、そこを業者に問い詰めてみました。業者の当事者とその上司も立ち会って再チェックしたところ、案の定、新と古の油タンクの接続パイプが間違って繋がっていることが判り、どうにか一件落着。この騒動で3週間近く悩まされ(不安で)ていたのですが、あたり前の部屋暖房のあたたかさに感謝している今日この頃です。
(あ)

これが事務所横の新旧2個の石油タンク

「秋田コメディー映画祭」に大満足

 この前の日曜日、秋田県南部にある仁賀保町で「第5回 秋田コメディー映画祭」が開かれていたので、ライターの永井登志樹さんと足を運んでみました。二人の目的は沖縄映画「ホテル・ハイビスカス」です。「ナビィの恋」をつくった中江祐司監督の作品で、主役の美恵子を演じた小学3年生の蔵下穂波の、破天荒な演技が話題を呼んだ作品です。

客室が一部屋しかない「ホテル・ハイビスカス」
の前に並ぶ家族たち
 私はこの映画を8月に札幌で観たのですが、永井さんに誘われたこともあり再度観ることにしました。「ナビィの恋」でもそうでしたが随所に沖縄の音楽が流れ、(というよりも音楽がなければ成立しない映画なのですが)映画の雰囲気を盛り上げてくれます。特に「ナビィの恋」で主役を演じた沖縄民謡の大御所・登川誠仁がいい味を出していました。
 この映画の面白さの一つに、映画の中で歌われるいろいろな替え歌があります。特に傑作なシーンは子供たちが海岸を歩きながら歌う「ABCD海岸で カニにチンポコはさまれた・・・・」の替え歌でした。中江監督が仁賀保町で映画を上映する前に地元の子供たち25人を集め、映画の一場面を演技してみる「体験教室」を行ない、その練習成果を映画上映後の舞台で披露したのですが、この替え歌のシーンがメーンでした。そこで迷演技をした内の2人の子供が、依然、無明舎出版で働いていた河本恭子さんの娘さんたちだったので、私と永井さんは大喜び。子供たちも最初は恥ずかしがって小さな声でしたが、何度か繰り返すうち度胸も出てきて、最後は全員並んで「ABCD・・・」とうれしそうに合唱していました。思いがけず子供たちの楽しそうで真剣な姿を観ることが出来、大いに満足した映画祭でした。
(鐙)

No.166

書きあぐねている人のための小説入門(草思社)
保坂和志

 著者の最新話題作『カンバセイション・ピース』(新潮社)を読もうと思ったのだが、どうも初めての著者の本が小説というのは荷が重過ぎる。読まずに積んどく可能性が私の場合はかなり強い。そこで無難にこの煽情的な(?)タイトルの本から読み始めることにした。オビには「実作者が教える、必ず書けるようになる小説作法。」と仰々しいコピーが掲げられているが、まだデビューしてまもない(10年ちょっと)、作品も数えられるぐらいしかない40代の作家に「小説作法など教えられるの?」といぶかしむ。が読むと深く納得するのだが、本書は真っ向直球勝負の「小説とは何か」という論考なのである。題名で少し躊躇しながらも読み始めると、その明快で説得力のある論旨にぐいぐい引き込まれていく。「言葉を使って、言葉では伝わらないものをつくりだすのが小説」「日常の言葉で説明できてしまえるような小説は、もはや小説ではない」「表現というものは、たえず何か逸脱するものを孕んでいないと、やがて滅んでいく」「哲学、科学、小説の3つによって包含されているのが社会・日常であって、その逆ではない」「小説が光源になって日常を照らして、ふだん使われる美意識や論理のあり方をつくり出していく」…小説至上主義といっていいような過激で新鮮な箴言の詰まった労作である。

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