Vol.173 03年12月27日 週刊あんばい一本勝負 No.169


静かに熱く、忘年会

 今年の忘年会は「和食みなみ」でおこないました。外からフリーライターの永井登志樹さんと藤原優太郎さんを招き、小津映画の話題を中心に静かに熱く、飲みすぎず食べ過ぎず、ゆっくりと燃えました。島田が直前に体調を崩し欠席したのは残念ですが、鐙編集長からは「企画営業の原点に戻って来年は頑張りたい!」という突然の決意表明も飛び出し、いつもとはちょっと違った、アットホームながらも緊張感の漂ういい宴席になりました。

忘年会で
 今年から大皿で料理を頼むのをやめ各自コース料理にしたのも話に集中できる要因になったようです。宴席のはじめに私がちょいと挨拶する(これまではそんなことをしたことはなかった)という儀式的なことをやったのも効果があったようです。売上げは去年と変わらなかったものの、今年は大きな出費がいくつかあり資金繰りにのた打ち回った反省点の多い1年でした。来年は確実に忙しくなりそうです。島田が長期の妊娠育児休暇に入る予定ですし、岩城は来秋55歳で定年退職の道を選びました。新しい人を雇用する計画は今のところ立てていません。どうにも立ち行かなくなれば助っ人を募集するかもしれません。正月休は12月28日から1月4日までです。それではどうぞ皆様、よいお年を。
(あ)

液晶画面が見えなくなった

 4年前に買った富士通のノートパソコンが壊れてしまい大弱りの毎日を過ごしています。先週のことですが、作業中いきなりモニターが真っ黒になってしまい、考えられるあらゆることをやってみましたが回復しません。結構パソコンに強い富山も挑戦してくれましたがやはりだめです。でも真っ黒になったと思ったモニターは良く見るとうっすらと画像が見え、どうもこれ以外は作動しているようです。そこで使っていないデスクトップパソコンのモニターを持ってきてノートパソコンに接続してみたら画像はちゃんと出てきます。これでモニターの故障ということがはっきりしました。メーカーに連絡を取り修理見積の依頼をし、ついでに動作が悪かった「E」のキーも直せないか見てもらいました。3日後、FAXで届いた見積書を見て唖然。モニター交換65,360円、キーボード交換27,650円、技術料、その他で22,430円、合計115,440円。これに税金をたすと12万円を越します。だれがこんな高額の修理費を支払ってノートパソコンの修理をしますか。
 そこでインターネット販売専門の「DELL」に買い替えることにしました。DVD対応、CD−R書きこみ可能の機種で12万円台。壊れたパソコンの修理代と変わりがありません。今の世の中、電子機器の修理をするとこんなことがよくあるようですが釈然としません。メーカーのシステムに対する不信も感じてしまいました。お正月開けに届く新しいパソコンが待ちどおしくてたまりません。
(鐙)

2台でようやく一人前というお間抜けな状態です

カラーコピー機で事務所一新

 2代目になるのですがカラーコピー機を導入しました。前機種と同じキャノン製ですが性能は格段に向上しているようでスピード、鮮明さ、多様な機能、デジタル対応はほぼ完璧といっていいもので、舎員一同大いに満足しています(いまのところ)。パソコンから直接ファックスが送れますし、プリンター機能も充実しているので、これまで単独で入れていた大型のプリンターとファックス機はお払い箱です。
 思い返せば、キャノンの1代目のカラーコピー機を入れたのが3年前で、電気店の配線ミスで煙を吐き出し爆発、新品交換、モノクロコピーがコンビニより単価が高いことがわかりショックを受け、カラーコピーのあまりのろさにいらだち、もうキャノンに愛想をつかして元のゼロックスに戻そうと思っていた矢先に運悪く(?)キャノンの営業マンが新機種の売り込みにきました。前機種の欠陥や不備への反省もちゃんとしているようなので、もう一度チャンスを与えてみました。モノクロ1000枚以内のB5クラスのチラシやA3版以内のカラーポスターなら、もう印刷所に頼む必要はなくなりつつあります。ファックスや大型プリンターで場所を塞がれることもなくなり事務所の空間にもゆとりができました。こうした機器は本当に日進月歩なんですね。驚きました。
(あ)

これが最新カラーコピー機

今週の花

 今週の花は黄色いスイートピー、赤いバラ、白いフリージア、ピンクのカラー、紫の千日紅。カラーはサトイモ科。同じサトイモ科の花は他にアンスリウムやミズバショウなどがあります。カラーと言えば白い切花が一般的でしたが、最近はいろんな色があり、鉢植えなども売っていて驚いてしまいます。花びらのように見える部分は「ホウ」といい、葉が変化したもので、中にある花を守っています。カラーという名前は「美」を意味するギリシャ語「カロス(kallos)」に由来します。和名では「カイウ(海芋)」。本来はミズバショウのことを指すのだそうです。英語名では「calla」の他に「ナイルのユリ(lily of the Nile)」などと呼ぶそうです。素敵なネーミングですよね。
(富)

No.169

われよりほかに(講談社)
伊吹和子

 サブタイトルは「谷崎潤一郎最後の一二年」。中央公論の谷崎番(口述専門の秘書のような存在)編集者であった著者がみた大文豪の私生活だから、面白くないはずはない。世に喧伝指された文豪がどんなものを食べ、どんな家にすみ、仕事ぶりはどうだったのか、谷崎ファンならずとも興味津々である。私は谷崎のいい読者ではないが、もう10年も前にこの本が出て話題になったとき、定価が3900円もしなければ確実に買っていたと思う。いつか文庫になったら読もうとも思っていたのだが、行きつけの古本屋で1500円で売られていた。予想通り5百ページの大作をあっという間に読まされてしまった。編集者が、その特権を生かして作家のエピソードや秘密を暴露したりするのは、これまでもたくさんあったが、この本にある作家と編集者のピリピリする緊張感、文豪の人間臭さは、ある距離感からしか生み出しえない。著者は最後まで人間・谷崎を尊敬もしていなければ、好きにもなれなかった、という本音が行間にかすかに漂っている。だから読者も「こんなわがままなおっちゃん、今なら通用せえへんで」とおもわず関西弁で半畳を入れたくなる。でも谷崎の本は無性に読みたくなる、というのがこの本の不思議な魅力だ。

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