Vol.189 04年4月17日 週刊あんばい一本勝負 No.185


初めてのサーベイランス

 ISO14001を認証取得してからはじめてのサーベイランスの日がついにやってきました。これはシステムが正常に機能しているか、変更点や不適合、見直しや違法性をチェックするもので年2回(次回は10月)あります。何せ初めての体験なので認証の時と同じように緊張しましたが、身重にもかかわらず管理責任者の島田が奮闘してくれて、どうにかつつがなく終わることが出来ました。ISOは取得したもののその後のサーベイランスで持続性が疑われ、リタイアしてしまう企業も多いのだそうです。

東京から来た審査員によるサーベイランス
 小舎も時としてシステムの見直しや目標達成の煩雑な手続きにうんざり、正直手を抜きそうになることもあります。それでもなんとか維持しようと努力しているのは、何度も言うようにこれは一種の「農薬を使わないお米」のようなものだと考えているからです。十数年前、できるだけ農薬を使ってない米を食べたい、などと言おうものなら「バカかお前」と農業県でさえ鼻であしらわれたものですが、今では農家も消費者もうわごとのように「農薬はちょっと…」などと言うようになりました。ISOは企業の無農薬米という認識を私たちはもっています。そのためにはお金も時間もたっぷりとられますが、時代はまちがいなく無農薬企業を指向する方向に動いています。なんとか「見栄」を張りながらでも維持していきたいものだと思っています。
(あ)

カンボジアからのお客さん

 小舎んだんだ劇場の「カンボジアからの手紙」のWHO医師、遠田耕平さんが激務の合間を縫って秋田に帰ってきました。余り知られていないことですが遠田さんは実は秋田大学医学部職員という立場でベトナム、インド、カンボジアとWHOポリオ絶滅運動の最前線で働いてきたのですが、このたびその国連医師としての仕事に専念することに決め、その事務手続きのため来秋したのだそうです。遠田先生の趣味は水泳で、どこの国にいっても水にさえ入っていればご機嫌という筋骨りゅうりゅうの万年青年です。先日は原稿にも書いていましたがメコン川の水泳大会に参加、本人は優勝するつもりだったようですが「波が強くて水をがぶ飲み」したせいで負けてしまったことをしきりに悔しがっていました。

遠田先生
 報告書や机上のデータを信用せず、医師は常に現場で「ひと」と接していること、を信条とする遠田先生にとっては体力も医師のスキルと同じように重要なものなのです。このぜい肉のない見事な身体が写真でわかりますか。
(あ)

今週の花

 今週の花は、ヒゲナデシコ、ヒペリカム、くじゃく草、グリーンジャック蘭。ヒゲナデシコを漢字で書くと「髭撫子」。ビジョナデシコ(美女撫子)、アメリカナデシコ(亜米利加撫子)という別名もあります。「髭」の由来は花と花の間にある堅くて細長い苞のこと。それにしてもちょっと失礼な名前ですよね。失礼な命名の撫子といえば他に「蝿取撫子」(または虫取撫子)もあります。別に食虫植物ではありません。名前から想像もつかないようなかわいいピンク色で、日常的に目にする花です。もっと外見にマッチした名前をつけてあげればよかったのに、と同情してしまいます。
(富)

No.185

酔醒漫録(私家版)
有田芳生

 11級2段組で500ページ強ある46版の本が1500円。安いとかすごいという以前に「これは自費出版だな」というのが第一印象。案の定、ホームページの日記半年分をほとんどそのまま単行本化したもので発行部数は1000部だそうだ。自費出版だなと直感したのは、活字の組み方や値段設定、タイトルのつけ方が「プロらしく」ないからで、まあ編集者であればほとんど同じ感想を持つに違いない。読むと内容は面白く、ぐいぐいと引き込まれて一晩徹夜で読了してしまった。文中に度々引用する先人たちの詩や言葉が著者の気持ちを代弁し効果的に使われているのも本書のいいところ。内容的に重複する記述も多いが、誠実でまっすぐ、前向きに仕事し、こよなく酒を愛する著者の等身大の姿がよく描かれている。著者は同じ本をもう2冊作れる原稿ストックが既にあるというが、大手出版社の編集者たちは、原稿を半分以上カット(内容の重複をさけ)して、書名をわかりやすく変え、活字の組をせめて13級にし、自在に編集加工を許してくれるならば初版5000部で企画を出せるのに…と考えているのではないだろうか。

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