Vol.211 04年9月18日 週刊あんばい一本勝負 No.207


騒音とグラグラに往生しています

 事務所前の工事が佳境に入り、2階で仕事をしている小生は船酔いしそうな気分です。毎日、巨大なブルが土を掘り起こし、ダンプの往来で田んぼの地盤の緩いところに建っているわが舎はグラグラ揺れ続け、2階は特に揺れがひどいのです。工期を見ると9月30日までとなっているので、その日までは辛抱ですが、てっきりアパートがたつとばかり思っていたら宅地造成のための工事なのだそうで、それでドシンドシンが激しかったんだ。近い将来、この田んぼ2枚分(600坪)にたぶん10軒以上の家がたつことになるでしょうから、工期が終わってから今度は個人建築の工事がはじまることになります。いやはや2階に引越ししたとたん、ダンプとブルの揺れにおびえる日々が続くとは思っても見ませんでした。これが今年いっぱいは続くかと思うと憂鬱です。
(あ)
工事現場と2階デスクから見えるブル

自転車とゲタと「六舟」

 心地よい秋の風に吹かれて最近はどこに出かけるにももっぱらマウンテンバイクです。さびを落し油を注したので快調です。それに外出時はもっぱらゲタを着用しています。ゲタをはいてマウンテンバイクといかないのが辛いところです。ゲタにはママチャリでしょうが、こうなるとほとんど隠居老人なので、ゲタの時はMTBを、MTBのときはゲタを遠慮しています、ってあたりまえか。つい先だっても駅前の居酒屋でいっぱいやったのですがマウンテンバイクで行ってきました。ほんとうはゲタで行きたかったのですが、周辺から危険だと厳重注意を受け(それにかっこ悪すぎ)断念しました。ゲタをはいて自転車で近所の赤提灯に行くというのが長年の夢でしたが、スンでのところでかなえられませんでした。居酒屋ではもっぱら焼酎党ですが、この日は亡くなった作家の水上勉氏に弔意を表し刈穂酒造の「六舟(ろくしゅう)」を飲みました。六舟は水上氏の命名で、ラベルの見事な揮毫も水上さん本人のものです。落款の上に「勉」としか書いていないので、それが水上勉のものであるとは誰も気がつきません。思わぬところで秋田との縁がある作家なのです。「六舟」は名前だけでなく本当に美味しい純米吟醸酒です。ぜひお試しを。
(あ)
MTBとゲタと六舟

今週の花

 今週の花は青いリンドウ、赤いバラ、ピンクのカラー、グリーンスプレーマム。カラーはサトイモ科。サトイモ科の観葉植物に「クワズイモ」があります。「アロカシア」という名札がついている場合もあります。特別綺麗な花を咲かせるわけではありませんが、とにかく存在感があるので人気の観葉植物です。ただし、「食わずイモ」の名前のとおり、口にすると食中毒のような症状を引き起こします。それもかなり重い症状。また、切り口などから出ている液体に触れるとしびれることもあるそう。見た目からは想像もつきませんが、実は危険な植物なんです。
(富)

No.207

800(角川文庫)
川島誠

 アテネ・オリンピックはけっこうまじめにテレビ観戦。日本が活躍したこともあるのだろうが、のっけから個人的に興味ある柔道や水泳、女子マラソンなどが日本のテレビ放映セレクションとピッタシあったことが大きい。しかし外国の柔道はほとんどレスリングもどき、あんなのとまともにやって勝つんだから日本選手はすごい。ハンマー投げの金メダルを「返さない」というアヌシュを見てもそうだが、「同じルール」とはいいながらスポーツでさえ外国人と一緒にやっていくのは容易でないことを痛感。宗教戦争が沈静化しない理由がよくわかる。陸上も大好きなスポーツだが、本書で800メートル走というのが陸上の花形であることを初めて知った。そういわれれば中学時代、陸上競技の花形は1500メートル走で、その第一人者は学校の人気者だったなあ。本書はその800メートル走の選手が主人公。ここでカンタンにあらすじを説明したいのだが、意外に筋書きが複雑で、主人公2人の造型が一筋縄で書ききれないことに気がついた。青春小説のジャンルなのだろうが15歳足らずの少年少女がガンガンセックスするし、大人社会との絶妙な知的な距離感をもっている。「青春小説」というジャンルが無意味に思える出来のいい作品である。

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