Vol.221 04年11月27日 | ![]() |
午後3時、ちょっとお茶に出かけます | |
お昼ごはんは抜くことが多いのだが、午後3時ごろになると飯も食っていないのに無性に眠くなる。応接室のソファーで30分ほど横になる……つもりが結局は自分のいびきで目を覚ますほどぐっすり熟睡。いびきは皆に聞こえているわけで、その寝起きの恥ずかしいこと。根本的な原因は睡眠不足に違いないが、不足といっても6時間は確実に寝ている。これで威張って睡眠不足と言い切っていいのだろうか。ただたんに年をとっただけなのか。とにかく事務所でいぎたなくよだれをたらして寝るというのは舎長の沽券に関わるので、眠くなるとすかさず自転車で『プロント』という近所の喫茶店に行くのが習慣になりつつある。 | |
ドットールやスターバックスが市内には1軒しかないので自転車で5分(ということは1キロ以上離れているということか)の距離にあるスタンド・コーヒー屋さんはありがたい。おまけに新築なのに客がほとんどいないのも気に入っている。ここで道路沿いの車を見ながらお茶を飲んで眠気を覚まして仕事場に戻るのだが、どうも喫茶店そのものより、自転車で違う環境に身をおいてることじたいが気分転換になっているような気もする。さすれば自転車で外をフラフラしただけでも十分「眠気防止」にはなりそうだが…… (あ)
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これが最近毎日通っている秋田で一軒の「プロント」 |
こんな教科書があれば勉強も楽しいのに | |
仕事のために読んだ本のなかに抜群に興味引くものがあったので紹介する。ひとつは砂糖の本で川北稔著『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)。世界史のなかで砂糖が果たした役割をわかりやすくといたもので、紀元前のアレクサンドロス大王の東方遠征からイスラム教徒の文化、さらに十字軍とキリスト教がからんで大航海時代に植民地主義、南北アメリカの大プランテーションと奴隷制度、三角貿易に産業革命から現代のダイエット・ブームまで、なんとイギリスと砂糖をキーワードに中学生にもわかるように書かれたチョー面白歴史本である。「世界システム論」という、近代の世界をひとつながりのものとみなす(歴史を生き物とみなしてその成長や発展をみていく)考え方とモノや慣習を詳しく観察する歴史人類学の二つの方法を合体させた労作で、タネ本はS・W・ミンツ著『甘さと権力――砂糖が語る近代史』(川北稔訳・岩波書店)のようだ。 | |
もう一冊は山口タオ/文・津川シンスケ/絵『もしも日本人がみんな米つぶだったら』(講談社)。これは子供用の絵本なのだが、お茶わんいっぱいのごはんに米つぶいくつ入ってるの? という疑問からはじまり、すべてのものを米つぶに換算してしまう、というヘンな絵本である。子供用なので例題が少ないのは難点だが、なあに基本的な考え方さえ身に付ければ、簡単に米つぶ換算はできてしまう。方法論や発想こそが命なのだ。こんな本たちに小さなころに出会っていたら、もうすこし勉強好きの、まともな大人になっていたかもしれないなあ。 (あ)
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これが2冊の本 |
今週の花 | ||
(富) |
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