Vol.250 05年6月18日 週刊あんばい一本勝負 No.246


「花火師」の本が出ます

 6月は本当にバタバタしていて週末はほとんど東京へ出張(引越しなどの私用が多かったのですが)していました。そのためこのニュースを書く時間がとれず、かなり前に書いてしまうのが習慣になっているのが現状です。今週末の沖縄出張(シンポジューム出席のため)が終われば、少しはゆっくりできそうですが、月末は年4回定例の「愛読者DM送付」という大きな仕事が待っているので、しばらくは油断できない日々になりそう。何もしないで週末ボーッとしたいなあと人並みに思うのですが、けっきょくは週末も自分から好んで仕事場にしけこんでいるのですから、世話はありません。
 さて、夏にふさわしい新刊を紹介。大曲の花火はいまや全国区の知名度ですが、その花火師たちの舞台裏を描いた本が出ます。著者はオーストラリア在住の池田まき子さんで、去年の『男鹿水族館GAOの本』につづく第2弾です。子供たちも読めるようにルビ付きで、写真もたくさん入った、楽しくてためになる本です。大曲の花火についても情報満載ですよ。7月中には刊行になります。ご期待ください。
(あ)
知っていそうで知らないことがいっぱい

夏の楽しみ

 冬の間休んでいた朝の散歩を4月から再開しました。昨年のゴールデンウイーク頃から早朝散歩を日課にしたのですが、おかげでどんどん体重が減って(約10キロ減)、すこぶる体の調子が良くなりました。それを約半年続けましたが、さすがに冬の早朝に歩くのは辛くてしばらくお休み。すると当然のことながら徐々に体重が増え始め、3キロほどの増となってしまいました。でも春から再開したらすぐ体重は少なくなり、現在高校卒業以来の最低体重です。散歩は朝に1時間から1時間半歩くのですが、お気に入りのコースがあります。家の背後は手形山という標高109メートルの小高い山となっていますが、その山を回ってくるコースです。頂上まで行ってから南側の手形山団地に出て、秋田高校の下を回って戻ると1時間。頂上から北に向って、添川の堰堤近くに出て「さとみ温泉」の前を通って戻ると1時間半です。そのほか、何本かある枝道を使うと5コースほど組み立てることが出来、その時の気分や時間でどれかを選んでいます。
 数日前からこれに新たな楽しみが加わりました。今が盛りの木イチゴです。正式にはモミジイチゴといいますが、大きさは親指の先ほど。黄色に近いオレンジ色で、とっても甘い山の幸です。実は手形山は隠れたモミジイチゴの宝庫なのです。10年前に今の家に引っ越しましたが、その頃は子供たちと盛んにイチゴ狩りをして、ジャムを作ったりしたものです。1時間も採りますと、どんぶりに一杯ほどにもなりました。今では子供たちが大学に行ったため、昔のように夢中にはなりませんが、今朝も数メートル歩いては採り、またちょっと歩いては口に入れというあんばいでした。おかげでさっぱり散歩に集中できませんが、これは今しかできない幸せな散歩です。
(鐙)

写真を撮ってこなかったためイラストで紹介します。花は5月の中ごろ咲いていました。(イラスト 長沢昭作さん)

No.246

アマゾン・ドット・コムの光と影(情報センター出版)
横田増生

 ついに出たか、とアマゾンではなく東京の書店で買い求めた。これもよく考えると皮肉で、もう九九パーセントの本はネット書店アマゾンで買う癖がついているからだ。残りの1パーセントもネット「日本の古本屋」からのもの。これではいけないと思いつつも、地元のひいきにしている書店は軒並み潰れていき、いかんともしがたい現実がある。本書のダイジェストは、「月刊文春2月号」で読んでいた。まあこんなものかな、というのがダイジャストの正直な印象だったが、本番は意外や、予想以上におもしろかった。アマゾンというネット書店の時代的な意味よりも、その労働環境に光を当てたのがよかったのかもしれない。一企業から現代日本の、いや世界の、デジタル化され貧富の2極分解に突き進む「現実」が鮮やかに切り取られている。個人的には30年前の鎌田慧「日本絶望工場」というノンフィクションを思い起こして時代の相違にため息をついていたのだが、著者もこの鎌田の本に触れている。労働環境の残酷さ、惨めさは自動車産業のほうがネット社会よりずっと凄まじいことを認めたうえで、しかしながら当時の東北からの出稼ぎ者たちにとって「自動車季節工」は年収400万円、終身雇用の約束という「希望」が持てた労働現場であったことに言及している。なにせこのアマゾンの倉庫で働くフリーターたちの年収は200万、明日首になっても誰も不平を言わない世界に生きる人たちなのだ。

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