Vol.259 05年8月27日 週刊あんばい一本勝負 No.255


外観をきれいに後半戦へ

 思えば今年になってからいろんなことが台風のように襲ってきて、毎年あたり前のようにやってきた行事やルーティンワークも、今年はやったりやらなかったりという「不安定な」状態が続いた。ようやく7月ころから仕事もプライヴェートも、ほぼ例年通りの状態に戻った。8月は決算月なので仕事をセーブして、ひさしぶりに余裕をもって身の回りを見回すと、事務所の周りの草はぼうぼう、ほとんど乗らない自動車はガタガタで、サブの机にはほこりがたまり、何ヶ月も観ていないビデオ機器は、使い方を忘れてしまう体たらく。そこで気分一新、まずは何よりも外観と、シルバー人材センターに頼んで庭木の剪定と草むしりをやっていただくことにした。外がきれいだとストレスが軽減され、気分も確実に二,三割はアップする。いつもの主婦アルバイト軍団(最近は息子さんが多い)にお願いして倉庫の整理(たな卸し)もはじめたし、電気屋さんには事務所と自宅の家電製品のチェックをお願いした。やるときはみんなまとめてやってしまうのだ。お隣との境界線の庭木もきれいに枝落ししたのだが、きれいさっぱり落としすぎて、夜になるとお隣の話し声が筒抜けで聞こえるようになった。これは想定外でした。いやはや、けっこうこれが気になるんですねえ。
(あ)

庭木を切る

倉庫のたな卸し

秋の始まり

 夏の終わりというのは肌で感じることができますが、先週の火曜日がそうでした。日中、日差しは強いのですが、日陰に入るとさわやかで、空気も乾燥するため肌がさらさらした感じになります。遠くにある鳥海山や秋田市郊外の太平山もはっきり見えるようになり、空気が澄んできたことを実感します。暑い暑いと文句を言っていた夏も、終わりとなるとちょっと淋しいもので、「もう少し夏でも良いよ」と言いたくなります。今年の夏は忙しさにまみれて、ほとんど夏らしい遊びをしないで終わってしまいました。夏休みに東京の飲み友達たちに誘われて、岩手の普代村にキャンプに行ったくらいです。この村は三陸海岸の北端にある、何も無いのが魅力の小さく静かな村です。シーカヤックを車に積んでいって、3日間とも海に浮かべ、三陸海岸の豪快な岩壁を海から眺めてきました。あとは、青森出張の時がちょうど八戸の三社祭りの時期だったので、足を延ばして見物することもできました。豪華絢爛で巨大な山車が27台も繰り出す祭で、私の好みで言うと、青森のねぶた祭りよりこっちの方が素敵です。
 こんな風に今年の夏は忙しいまま終わりになりましたが、秋は秋でもう予定がびっしり。11月の始めまで、全ての土日は取材や仕事で埋まっています。私にとってとても忙しい秋になりそうです。
(鐙)

今週の花

 今回は事務所周辺の植物を紹介します。
まず、実が色付き始めたナナカマド(七竃)。スーパーや銀行に行く時に通る道の街路樹です。七回竃に入れても燃え残るくらい燃えにくいことが名前の由来とされていますが、七日間釜で焼くと良質な炭になるから、という説もあるようです。
 2つ目は、オレンジになりかけのホオズキ。近所のお宅の庭から飛び出すように生えているのを撮影しました。
 最後は、道路脇の畑でナスと並んで植えられていたオレンジのヤリゲイトウ。ケイトウは夏から秋にかけて咲く花ですが、季語は秋。ナナカマドもホオズキももちろん秋の季語です。他にも柿やイチジクの実が大きくなり始めたり、合体トンボが飛んで行ったり、秋の気配を感じることが多くなりました。
(富)

No.255

国家の罠(新潮社)
佐藤優

 例の鈴木宗男事件の際、田中真紀子が正義で、悪の代表が鈴木宗男、という「わかりやすい構図」にかなり危険な胡散臭さを感じたのだが、鈴木氏のあまりのはまった悪役ぶりに彼を弁護する気にも到底なれなかったことを覚えている。が、田中真紀子が「庶民の代表で正義」とするマスコミや世論には強い違和感だけではない、不不公正さへの怒りももっていた。本書を読むと、私のその実感も当たらずとも遠からずで、もちろん「外務省のラスプーチン」と呼ばれた鈴木宗男ブレーンの著者の言い分をすべて真に受けるわけではないが、「鈴木宗男事件」の真相は、やはり「国家の意思」によって作られた事件であることを強く確信したくなる。本書では鈴木宗男が実に魅力的な好人物に描かれているのは言うまでもないが、事件後、ここぞとばかり「悪役・鈴木宗男」を時流にのって罵倒した便乗本のほうが、ずっと胡散臭い。それに比べれば本書の宗男像はより実像に近いのではないだろうか。本書が単なる獄中記と一線を画しているのは、罪の構成をめぐって毎日のように接触のあった検事との「スリリングで知的なゲーム」になっているからだろう。ほとんどがこの取調べの検事との人間くさいやり取りに終始し、この関係から事件を語りだしている巧みさが成功している。

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