Vol.27 3月3日号 週刊あんばい一本勝負 No.24


雪解け・工事・迷い道

  ここ数日でようやく春らしい気候になり、道路の雪もめっきり少なくなりました。東京で秋田のニュースを見た人は「もう市内に雪はほとんどないじゃないですか」とおっしゃていましたが、小舎はもともと南秋田郡といわれた僻地にありますので、雪はまだたっぷり残っています。同じ市内でもこれだけ違うんですね。車に雪を積もらせたまま市内に出て、他の車との違和感に驚くこともしばしばです。それはともかく、去年からつづいている広面の下水道工事はまだ終わっていません。それどころかますます「通行禁止」区域は広がるばかりで、一度乗ったタクシーがここから抜けられないこともあったほどです。歩いても雪解けのぬかるみで、事務所にこもって仕事をしているのが一番のようです。
(あ)


まだ続く下水道工事

雪が少なくなってきたといっても……

久しぶりの「打ち上げ」

 「狂乱の」忙しさをようやく抜け出ることができました。約2週間、全く休みなしに一日平均15時間、15人の人間が働きつづけました。毎年恒例のこととはいえ、今年は定番の仕事の他にもう2本似たような仕事の締め切りが偶然に重なり、こんな強行スケジュールになってしまいました。とにかく徹夜で駆けつけてくれたバイトの方々には感謝、深謝です。特に斉藤、柴田という若い女性がいたおかげで、彼女らのボーイフレンドたちが駆けつけてくれたのが戦力的に大助かりで、若い女性恐るべしです。
 打ち上げは山王にある地中海料理「グランビア」でした。けっこう高級なレストランですが、若い女性たちに敬意を表して「飲み放題、食い放題」のぜいたく宴会でした。女性たちは2次会にも繰り出したようで、今回は仕事も宴会も主役は彼女たちであることを証明しました(おじさんたちは疲れ切ってついていけませんでした)。
(あ)

「んだんだ劇場」充実のラインナップ!

 「月刊舎内報 んだんだ劇場」のラインナップがHP上でお約束したとおり、かなり充実してきました。中断していた連載が続々と復活しているばかりでなく、新人の連載も何本か準備中です。もともとこの連載は、定期刊行物を持たない小舎が「単行本のための締め切り雑誌」用に作ったものです。しかし、ウエッブ版に対する距離感からか、紙に刷っていたときとは全く違った反応(読者のリアクションがわからず途中でやる気をなくしてしまう)がおき、「デジタル化が早すぎたか」と不安になって焦ったのですが、ここにきて「デジタルがどうした、紙がどうした」などという「わがままモード」では何一つ解決できない問題であることを書き手の方々も認識してくださり、積極的な著者側の姿勢が明確になってきたというわけです。小舎にすれば、ようやくウエッブ版の意味を認めてくださったものと勝手に解釈しているのですが、デジタルに抵抗感が少なくなってきたことは確実のようです。
(あ)

紙に刷っていた頃の『んだんだ劇場』

今週の花

 今週、事務所を飾っている花は桃の節句が近いせいか、桃、菜の花、マーガレット、ポピーの4種類です。外にはまだ雪が残っていますが、事務所の中だけ春になったようです。しかし、暖房で部屋の中が暑いせいか、2日くらいでダメになってしまいます。何か長持ちさせる良い方法はないでしょうか?
 アレンジしたのは、生け花の経験もあるというアルバイトの斎藤亮子さんです。
(富)

今週の花

No.24

畑中哲雄(ポット出版)
スレイブ

 サブタイトルの「パソコン音痴のカメイ課長が電脳作家になる物語」というフレーズにひかれてネット書店で買い求めた。著者は四十代前半のマスコミ畑の出身者のようである。小説そのものはどうってことのない代物だが、登場人物の名前がほとんどCP歴史上の有名人がパロディで使われ徹底的にこき下ろされている。しかし内容はともかく問題は「本」の出し方のインパクトがおおきいことである。この本は著作権フリーというか「ドネーション(寄付)小説」と銘打たれ、巻末に著者印税用の振込用紙が添付されている。面白かったら印税を払って、というわけだが、巻末にはさらにこの本の版元が本の制作原価を公表している。それによると初版二千部すべて売れても一銭の利益も出ないので、印税は払っていないことが記されている。その分は読者が負担してくださいという訳である。ちなみに私はそんなにおもしろくなかったので印税はふりこんでいないが、そのことに関してかすかな心の痛みがある。こうした心理的動揺を読者に与えることの「不快さ」も版元は考えて、あえてこのような「斬新な本を出す」行為に踏み出したのだろうか。そこのところをこそ聞いてみたい。

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