Vol.281 06年1月27日 週刊あんばい一本勝負 No.277


天気も仕事もボツボツと

 どうやら寒波も落ち着いてきて、いつもの(例年より雪は多いですが)冬の着地場所にとどまっているようです。今週もいろんなことがあり、仕事は本格的なスタートを切ったものの、スタートラインのあたりでウロウロしている状態がまだ続いています。来週からは年4回のDM発送がはじまります。これでどうにか加速がついていくでしょうが、同時に父の1周忌やISO監査などの日程も入り、仕事に集中できる環境とは少々遠い感じで。まあ、あせらず1歩1歩前に進んでいくしかありませんね。
 そんなわけで来週早々、学生時代から憧れ、影響を受けてきたS社の故N社長を送る会が東京であるのですが、いけそうもなくなりました。S社は小生にとって特別な意味のある出版社(自分の本も出してもらった)で、目標というにはおこがましいのですが、いつも気になっていた出版社です。N社長とも懇意にさせていただいたのですが最新の情報によると、S社はこれを機に社員を解雇、親族経営で定期ものと在庫販売だけの縮小経営に移行し、将来的に自然消滅をも視野に入れているようです。ショックですが出版社の末路はこんなものかもしれません。私自身も自分の代で看板を下ろすつもりですし、日経や朝日にデカデカと本が取り上げられても、2000部の初版を売り切るのがやっとという現状では、なかなか光は見えてきません。
 2階にあるデスクで、いつもクラッシク音楽を聴きながら仕事をしているのですが、このところ井上陽水のベストアルバムを大音量をガンガン鳴らし、身体でリズムをとりながら仕事をしています。時代の閉塞感も、身体にまとわりついた澱んだ空気も、すべて振り払ってしまいたいという気持ちが、こんな選曲になったのかもしれません。今週も画像はなしです。あしからず。
(あ)

雪を掻き分け寒気払いへ

 先週の日曜日の昼下がり、友達たちと誘い合って雪の中の飲み会をしました。今年の冬はどこもかしこも雪だらけ。話題も雪がらみのぐちとなることが多く、ちょっと辛気臭いため「えーい、雪の話しはもう要らない。暑気払いでなく寒気払いをしよう」ということになり、友達10人ほどで集ることにしました。場所は秋田市のど真ん中、佐竹藩主が城を構えていた久保田城跡の千秋公園。その一角に「あやめだんご」という古くからの茶屋がありますが、そこを借り切ってのことです。公園の中なのでろくに除雪車も入らないため、あたりはどこもかしこも雪、雪、雪。この日集るメンバーで、この茶屋で毎年春に花見をやりますが、真冬に集合するのは初めてでした。

この茶屋では一年中(予約制)、季節の食材をふんだんに使った田舎料理を堪能させてくれます
 この茶屋を切り盛りしている女将さんは、秋田の田舎料理づくりの名人です。春から秋にかけて自分で野山を歩きながら食材を確保し、あるいは秋田市民市場に通い、茶屋のテーブルに並べるのですが、季節が変わってもおいしく食べることが出来るようにと保存食加工の上手でもあります。この日のテーブルに並んだのは、子指のように太い「鳥海山麓のゼンマイの煮付け」、山菜の「ミズ(ウワバミソウ)のタマッコ(茎にできるこぶのようなタマ)溜り漬け」、「マダラの卵とゴボウの和え物」、食用菊の「もってのほかのおひたし」、「ヒロッコ(アサツキ)の炒め物」、「ナメコ、サワモダシ(ナラタケ)、ムキタケの煮付け」、「ナタ漬け(ダイコンの漬物)」、「ダイコンの醤油漬けがっこ(漬物)」、山菜の「ニオサク(エゾニュウ)と油揚げ、さつま揚げの煮付け」、「ハタハタ寿司」、「ハタハタのしょっつる漬け焼き」などなど。申し分の無いおいしい料理と、石川の友達が送ってくれた「天狗舞」、富山の「立山」など私の好きな酒も集り、いい酒、いい友、いい肴と三拍子揃った満足の行く飲み会で、寒気払いは成功でした。
(鐙)

今週の花

 今週の花は、白いフリージア、スプレーバラのリトルマーベル、紫のチューリップ、スイートピー、ピットスポラム(Pittosporum:ピトスとかピットスフォラムなどともいう)。リトルマーベルは、スプレータイプ(小さな花を数輪つける)のバラのなかでは最も人気の品種。一般に、バラの人気色はピンクで、続いて赤・黄・オレンジ・紫の順でよく売れているそうです。グリーンのピットスポラムはトベラ科の常緑樹で、原産地はニュージーランド。時期によってイタリア産とニュージーランド産が出まわります。
(富)

No.277

それでいいのか蕎麦打ち男(新潮社)
残間里江子

 刺激的なタイトルに惹かれて読んでみた。オビにある「団塊世代に渇!」という文字は、著者も同じ世代なのに「蚊帳の外」みたいな言いかたをして、と不快感をもたせるが、版元の販促的な狙いコピーなのだろう。というのも読んでみると、どちらかというと自分の半生を振り返りながら同年代の男女にエールを贈っている内容で、読み応えのある普通のエッセイである。著者程度の知名度のエッセイでは、さすがほとんど売れないだろう。かなり辛らつな同世代への苦言も入っているが、出版社サイドの要請もあり、この刺激的な興味惹かれる、ユニークなタイトルは決まったものではないのだろうか。小生のような、彼女に何の興味もないものまで本を買ってしまったのはタイトルのうまさである。それにしても団塊の世代への批判本の今年は豊作である。それもまた「団塊マーケット」を狙った経済戦略の一つでしかない、という自覚を論者たちは知っていて書いているのであれば問題はない。いくらビートルズ世代といわれ音楽にシンパシーを持っていても、連日テレビCMでジョン・レノンと日本人妻のベタベタしたツーショットが流されると、いい加減プライベートを商売にするのはやめるよ、とうんざりする感じと似ているような不快感もある。

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