Vol.287 06年3月11日 週刊あんばい一本勝負 No.283


今週の花

  今週の花は、アプリコットストック、チューリップ、スイートピー、麦。
 ストックは花持ちが良く香りが強いので存在感のある花です。アブラナ科なので、菜の花に似た花が咲きます。
 別名「紫羅欄花(あらせいとう)」。なぜ「あらせいとう」なのか、由来を断定している資料は見つけられませんでした。
 一説によると、羅欄は大根のことで、一重咲きのストックが同じくアブラナ科の大根の花と似ていたことからつけられたのでしょうか。
 また、葉が羅紗(ラシャ)に似ていて、ラシャはポルトガル語でラセイタということから「葉ラセイタ」が転じて「あらせいとう」になったと解説している資料もありました。
 日本には、江戸時代に入ってきたそうなので、どちらの由来も信憑性があります。
(富)

No.283

インターネットは貧者の味方!(宝島社)
青山南

 タイトルが良い。神保町のブックフェアで見つけ、てっきりバーゲン本だと思って求めたら普通の新刊だった。でも「損した感」のまったくないアタリ本。著者は有名なアメリカ現代文学の翻訳家である。内容はアメリカのHP検索による「成果報告」なのだが、ウェブなかりし時代とウェブ時代のいまでは、翻訳家という仕事がどれだけ変わったかが、ユーモラスな実例を交えながら綴られている。この本を読むと「もしウェブなかりせば」と考え、呆然とする。毛筆からボールペンに筆記用具が変わることにすら、ものすごい抵抗があった時代もあったのだから、新しいものになじむことには時間がかかる。それにしてもネットの普及は早かった。あっという間に私たちの暮らしに「電話と車がない時代とある時代」ぐらいのギャップをもたらしたのだから、これは「衝撃」といってもいいだろう。無料で有益な情報が無尽蔵に得られることの功罪は確かにあるが、時間も金もない「貧者」にとっては、使いようでインターネットは「宝の山」「いながら図書館」、金持ちと対抗できる武器になるのは間違いない。そのいい例が翻訳家の仕事なのである。「使用前」「使用後」の赤裸々な姿が検索例で具体的に語られる。

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