Vol.316 06年9月30日 | ![]() |
老教授・オオクチバス・手形散歩 | |
週末、突然、高名な元東北大学の国文学の教授Kさんが事務所を訪ねてきた。昔は秋田大学でも教壇に立っていたので、その教え子たちの会のために来秋したのだという。東北の各大学にK先生の教え子はたくさんいる。その教え子たちも今は有名な教授になっているのだが、その東北6県に散らばった教え子たちの研究成果を本にしてほしい、という依頼だった。下を向いてボソボソお話なさっていたが、教え子たちへの愛に満ちた、謙虚で高潔な古武士を思わせる紳士だった。偏見があるわけではないが大学教授になかなかこうした人格者は少ない。とにかく自己顕示欲と自己評価の高い「世間知らず」がめちゃくちゃ多い「業界」なのである。「私が秋田大学から東北大学に戻ることになったとき、祖母に〈お前を先生にするなんて、帝大も落ちたねえ〉といわれました。本当にそのとおりで、祖母の見識に驚きました」と静かにわらっていたのが印象的だった。小津の映画に出てくる鎌倉の大学教授そのままで、この日は一日中、気分のいい時間をすごすことができた。
(あ) |
これが旭川ラーメン |
平田篤胤の墓 | |
秋大構内で | |
八郎湖と赤とんぼ |
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