Vol.317 06年10月7日 週刊あんばい一本勝負 No.313


東京は雨、@podでルンルン

 久しぶりに東京に行ってきた。最近は東北各地をまわることが多く「東京は卒業だ」などといきがっていたのだが、やっぱり活気ある街というものを間近に感じるのは悪くない。バブルだ、バブルだ、と騒いでいる人もいたが小生の領域(出版)では「いよいよ(活字文化)がっけっぷちだね」といったクラ〜イ話ばかりなのはいつものこと。輪をかけるように3日間強風に土砂降りで、まともに傘を差して歩けない悪天候に出くわしてしまった。それでも何人かの人に会い、野暮用をすまし、映画「カポーティ」と「フラダンス」を見ようとするも、途中で映画館までの道がわからなくなり、やめた。神保町すずらん通りにはファーストフード店がケバケバしく開店していて、くすんだ本屋街のイメージをぶち壊していたが、もう見慣れてなんとも思わなくなっている自分も怖い。昼食のため東京駅・新丸の内ビルへ。ここにはおびただしい飲食店が入っているが、本当においしいものを食べたければ予約して最上階まで上がって万単位のお金を払う覚悟がなければ無理。9割以上がコケ脅しのエエカッコシイのゴミ店。高い金を払わなければ「うまい」ものは食べられない、それが東京というところ。それでも丸ビルの中のコンランで「匂いのついた石(インテリア)」をみつけた。以前パリのコンランでお土産用に買って好評を博したもの。近くの大丸ではプラスチックの花瓶を見つけ、どちらも事務所用に買う。夜は水道橋にあったなじみの立飲屋へ。立飲みでなく椅子があったので驚いた。周辺にまねた飲食店が乱立し元祖としては面白くなくてやめたのだそうだ。いつもは満杯なのにこの日はガラガラ。酒肴に魚肉ソーセージやインスタントラーメンが出てきたり、ファッショナブルと無縁な雰囲気がものすごくよかったのに椅子に座ると普通の飲み屋。……いやぁ愚痴っぽくなるばかりだなあ。これも悪天候のせい。救いは「@pod」。これにみっちり好きなCDを詰め込んでいったので、雨でホテルに閉じ込められても落語を聴き、4時間近い電車の中はシェーンベルクを大音量で聴きながら、まったく退屈せずに帰ってきた。ありがたい。
(あ)
皇居の白鳥も寒そう
匂いのする石
プラスッチクの花瓶

No.313

天気100のひみつ (学研)
清水教高(漫画・シュガー佐藤)

 年をとるにしたがって天気予報への興味というか、注目度が高まっていくのはどうしてだろう。明日の天気が自分の健康やくらし、仕事に大きな影響力をもつ、なんて若いころは考えもしなかった。明日が雨だろうが、来週いっぱい低気圧が張出していようが、そんなことはよそ事だった。会社勤めのカミさんはどんなことがあってもNHKの天気予報が欠かせない人で、どうしてかなあと考えたら、自転車通勤との兼ね合いに思い至った。そうか小生は「通勤」がない人生を送ってきたために(職住近接)、天気予報に無頓着でいられたのか。って今さら気づいてどうする。とにかくこの年になっても低気圧や高気圧のメカニズム、雨や雪、雷、雲、風といったものがどのようにしてできるのか、まったく知識がない、というのも恥ずかしい。そこで本書の登場となったわけだが、これは漫画なのでわかりやすい。いい本なのに1度読んだだけで理解できず手元において何度も読み返している。毎日の天気予報を観ながら、わからないことがあるとペラペラめくる。おかげで天気予報に敏感になった。天気のことが少しわかるようになると空を見上げるのが楽しくなってくる。でも天気を気にして生きる人生というのは小生にはどこか無理がある……。

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