Vol.339 07年3月10日 週刊あんばい一本勝負 No.335


フィットネス・山の学校・MBT

1週間が過ぎるのは本当に早い。先週はどんなことをしたっけ? と考えてもせいぜい2,3のことしか思い出せない。こんな風に年齢とともに時間はどんどん早く過ぎ去っていくのだろうか。怖いなあ。それでも、日常がちょっと変化したのはスポーツクラブ通いが1ヶ月になったことか。すっかり1日の中心(核)としてフィットネスがまた日常の中心におさまった。ダラダラ単調に流れるだけの時間がフィットネスでいったんリセットされる。身体の中の淀んだ空気が新鮮なものに入れ替わる。やるまえと汗をかき終わった後では、まるで世界が別のものになるから不思議だ(元の淀んだ世界に戻るのも早い)。いまは週2,3回の頻度だが、過去の教訓(やりすぎて帯状疱疹でダウン)から週2回ほどに定着させようと思っている(この1ヶ月間ではジム通い15回。こりゃ多すぎ)。
身体が動き出すと、気持ちも前向きになってきた。突然、山岳ライタの藤原優太郎さんが主宰する「山の学校」に入校した。月一回あるアウトドア企画に参加させてもらうためだ。さっそく山ろくの雪のブナ林を歩く「鳥海山スノーシュートレッキング」に参加申し込みをしたのだが、直前によんどころない用事ができ断念。スノーシューというのは「西洋かんじき」のことで、久々にクロカン・スキーで雪野を散策、と楽しみにしていたのだが、そううまくことは運ばない。まあ、徐々にアウトドアと付き合おう。今年はこの学校のお世話になって、いっぱい山で遊ぶつもりだ。引きこもりとはもうおさらばだ、って子どもかジブン。
もうひとつ。これも健康関連、趣味の散歩に関する最新情報。あるHPで知ったのだが、歩き方を根本的にかえる靴があるときき、あたらしもの好きとしては矢も盾もたまらず、買ってしまいましたウフフフフッ。MBT(マサイ・ベアフット・テクノロジー)という靴で、これは靴というより歩き方の矯正トレーニング・ギア。この靴は通販で買えない。正しい使用方法のレクチャーを受けなければ売ってくれないからだ。秋田ではICI石井で買えた。さっそくレクチャーを受けたのだが、けっこうこれが難しい。靴には歩き方のDVDもついていて、間違った歩き方をすれば逆効果になる難しい「矯正靴」である。そこが山型になっていて不安定、バランスをとるだけでていっぱいなのに、正しい姿勢で踵から小幅でシャカシャカ歩かなければならない。毎日、控えめに15分間、この靴を履いてゆっくり歩いている(ヘンな癖がつくので長い時間歩くのは禁止されている)。まだ1週間ほどだが、この靴を履いていないときもたえず背中の曲がりに気を使うようになった。これも効果だろう。しかし、昼食を抜いてリンゴ1個のダイエットも併行しているのだが、体重はこの1ヶ月間で2キロほどしか落ちていない。ボチボチやっていくしかないね。
(あ)
これが靴底が不安定なMBT
冷蔵庫は昼飯用のリンゴでいっぱい

No.335

60年代って何?(岩波書店)
石川好

 夫人と手をつないで飛行機のタラップから降りてくる、という安倍首相のパフォーマンスを見て、筆者は赤面を通り越し背筋に冷たい汗が落ちてきた。お涙頂戴の下手なヒューマンドラマをみているようなあざとさと不快感があり、その生理的な不快感の正体は、よくわからなかった。本書を読んでその正体のようなものが、わかった。ジョン・レノンとオノ・ヨーコの有名な公開ベッド・インというのもずっと不快の対象だったが、この行為のアメリカ的な意味と、世界の若者に与えた衝撃というのも本書で初めてわかった。今年からはじまる団塊世代の退職問題にあわせて「団塊本」が目白押しだが、アメリカの団塊世代であるラブ・アンド・ピースの時代を切り口に60年代の世界的な若者の氾濫の意味を問う本書は、目からうろこの落ちることがぎっしり詰まっている。「団塊本」として読んでも質的な高さは他書より一頭地を抜いている。LOVEとは性の解放のことでありPEACEとは反戦運動のこと。この言葉の過激さと歴史的な意味あいを誤解していると、ベトナム反戦運動や黒人の公民権運動、クリントンの人気やジェンダーの思想の背景はまったく理解できない。アメリカは戦後、自由や民主主義、個人主義を広めたが、60年代になって今度はラブ・アンド・ピースという反戦運動や反体制運動の方法を世界中に発信し広めた偉大な国だった、という著者の時代認識は新鮮だ。

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