Vol.34 4月21日号 週刊あんばい一本勝負 No.31


春恒例のお仕事

 近所にある秋田経法大学で非常勤講師の仕事がこの4月からスタートした。もう7年目になるのだが毎週1回の授業とはいえ、前日はレジュメ作りに追われ、けっこう精神的にはきついものがある。教えているテーマは『地域社会論』で、要するに自分の身辺雑記を面白おかしくおしゃべりしているだけである。受講者は2年生が主で150人ほど。今年は100人ぐらいに減りそうなのだが、7年前に比べると学生気質もかなり変わってきているような気がする。若い人たちと触れ合う機会が少ないので楽しみなのだが、こちらから積極的に飛び込んでいかない限り彼らからこちらの懐に飛び込んでくるということはない。テキストはノーテンキにも拙著『田んぼの隣で米づくり』を使っているのだが、授業は6月まで続き最後にこの本を読んだレポートを書かせて終了である。本当はもうやめたいという気持ちが強いのだが、なんとなく若者と触れ合うのがうれしくて続けている、というのが正直なところである。
(あ)

教室にて

また健康診断の季節が……

 またまた健康診断の季節がやってきた。春先に気分が落ち込むことが多いのはこのせいである。舎員4人の平均年齢が50歳を超えているので全員がなにかしらの異常を指摘され「要再診」という結果になる。が厄介なのは再診理由がたいしたことのないことばかりなので、ズルをして再診を受けないケースが多い。小生も「十二指腸に変形あり」の指摘を受けたが、これはこの10年来言われ続けていることである。もう慣れっこになって10年間で1回だけ胃カメラを飲んだが、あとはシカト。体調はけっこういいのに胃カメラを飲まなければならないというのは納得がいかない。と、いちおう怒って反論してみるのだが、本心は胃カメラを飲むのが怖いだけである。
(あ)

20世紀の偉大なピアニスト

 インターネットで知ったのだがPHILIPSでこのたびリリースした「GREAT PIANISTS OF THE 20th CENTURY」という200枚(!)組みのクラシックピアニストたちのCD全集を買ってしまった。値段は5万円だからCD1枚あたり250円という計算である。クラシックに造詣が深いわけではないが「あのフィリップスが」出したものだからインチキはあるまい、という判断で信用買いしたのである。まだ5分の1くらいしか聴いていないのだが、さすがフィリップ、音質はいいしピアニストのラインナップも超有名人ばかり。しかし、輸入版なのでライナーノートから説明文まですべて英語、とても中身の録音や音楽家のプロフィールまで知ることが出来ないのがつらい。この全集があれば一生もうCDは買わなくてすむかも、というものぐさ貧乏根性で買ったものだが思ったよりこれはいい買い物だったかも、と実はひとりほくそえんでいる。
(あ)

この2ボックスに200枚のCDが

北前船取材でてんてこ舞い

 いよいよ「北前船」の取材が近づいてきた。第1回目は4月24日から5月17日までの23日間。大阪を皮切りに兵庫、香川、岡山、広島、山口、島根、鳥取、京都、福井、滋賀の各府県およそ50市町村を回る予定。その後、第2、第3回目の取材が7月まで断続的に続き、北陸、東北、北海道を回ります。最終的には日本の海岸線の3分の2を回るという、版元としてはかつてない大掛かりな取材になります。
 準備もいよいよ大詰めになってきました。取材資料は執筆担当のライター加藤貞仁さんが取りまとめていて、主に撮影、運転を担当する私は、大掛かりな撮影機材の準備、撮影場所の確認、各地の資料館・博物館などの担当者との連絡、宿泊の手配などを行っています。取材が長期間になるため、留守中の秋田での仕事を取材先からうまく指示・コントロールできるようにノートパソコンと携帯電話を使ったモバイルの準備もしました。ゴールデンウィークとぶつかってしまいホテルの予約が不安でしたがインターネットの利用で簡単に全ての予約が取れました。その上ほとんど2〜3割引ですから旅の予約はインターネットに限ります。このおかげで最終的には20〜30万円の宿泊費が節約になりそうです。
(鐙)

農家レストラン「ゆう菜家」

 今週の火曜日、ドリナビの取材で雄和町を回ってきました。今回のモデルは3月までアルバイトに来ていた斎藤亮子さんだったので取材はスムーズに進みました。
 雄和町はモロヘイヤが特産で、昼食を食べた農家レストラン「ゆう菜家」ではモロヘイヤめん、モロヘイヤギョーザ、モロヘイヤアイスクリームとモロヘイヤづくしの食事を楽しみました。モロヘイヤはクセがなく、さっぱりとして食べやすく、おいしくいただけました。店内の雰囲気も静かでシンプルな内装で、ゆっくり落ち着いて食事できました。メニューが少ないのが残念でしたが、今度は友だちや家族と行きたいと思います。
(富)

「ゆう菜家」での撮影の様子

No.31

田口ランディ(晶文社)
馬鹿な男ほど愛おしい

 『もう消費すら快楽じゃない彼女へ』(晶文社)を読んだとき、自分の理解不可能な感性を持った作家が出てきたと思った。書かれていることは理解できるし感心もするのだが、どうしてこんな領域に踏み込んで活字にしようとするのか、よくわからなかった。エッセイなのだが私小説のようでもあり、こういう才能はいずれフィクッションのほうに行きつかざるをえないのではないか。それでも同じ著者の「ぐるぐる日記」(晶文社)などを読むと、こちらが想像するよりもずっと普通でミーハーな著者がそこにはいてとまどってしまう。素人の物書きネット主婦が日に日に活字社会のなかでヒロインになっていく様を、素直に驚いたりとまどったりするのが同時進行形で記されていて、この日記もなかなか面白い。これだけ短期間に人気作家になる人というのも珍しいが、これもネット社会の恩恵だろう。何せ5万人の読者がついていると言うんだから驚いてしまう。

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