この1週間ずっと雪が降っていた。すぐ消えてしまう雪だが、雪が降っているとなぜか「冬だもんな、まだ」と妙な安堵感がある。雪が降らないと本当に日常生活は快適なのだが、夏に水不足というしっぺ返しが待っているから心のどこかにはかすかな不安と焦燥感が不完全燃焼のような形で残ってしまう。やっぱり雪国には雪が必要なのだ。3月いっぱいなら、多くは降らないというと条件付で雪OKだよ。
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これも毎日のことで、ウンザリを通り越し、意識して何も考えないようにしているのだが、ネットのゴミメール。毎朝、仕事をする前に削除作業に没頭しなければならない腹の立つスパムメールだが、「SPAM」という言葉を削除メッセージに入れれば、かなりのものを排除できることがわかった。とにかく100通近いスパムメールの削除から始まる異常な1日が、これで少しでも軽減されれば、それだけでうれしい。少しは気分のいい朝になるかも。
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今年の木村伊兵衛賞は25歳の梅佳代さんに決まった。小生の「1本勝負」で数ヶ月前に取り上げた写真家だ。「うめめ」という彼女の写真集は面白かった。写真集でゲラゲラ笑ったのは絶えてなかったことだが(南伸坊の顔写真集くらいか)、木村伊兵衛賞とはビックリ。でも自慢させてもらうと「1本勝負」で取り上げた新人作家がその後、賞をとる確率はかなり高い。その木村伊兵衛だが名作といわれる『秋田』を撮影中、彼に同行、案内した秋田市在住のカメラマンの作品集が今度、小舎から刊行されることになった。タイトルはズバリ『写真集 秋田』。木村の背後から同じアングルとテーマで撮った作品の中には、本家の木村よりいいものもたくさんある。遠景としてカメラを構える木村の姿が映っている作品もあった。この作品集を監修していただいているプロカメラマン・英伸三さんとの打ち合わせがあり今日から東京出張なのだが、どんな写真集ができるか、いまからワクワクしている。
(あ)
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