Vol.341 07年3月24日 週刊あんばい一本勝負 No.337


東京でホテルを泊まり歩く

 月1回は行く東京出張。安くて清潔な宿に泊まりたい、といつも念じているが、そうたやすく願いはかなえられない。粘り強く23区内のホテルを転々としながら、いま、ホテルのランク付けをしている最中だ。いずれ常宿が決まれば実名で公表するつもりだが、まだ決定的な「場所」と出会っていない。とりあえずは途中報告。
 もちろん都区内のホテルをでたらめに泊まり歩いているわけではない。値段やホスピタリティーから三井住友系の「V」という都区内のみでチェーン展開をしているホテルに限って、この1年間泊まり続けてきた。もう8ヶ所ほど制覇した。宿代は約1万円、インターネットで比較的たやすく予約が取れる。東横インやメッツより高級感があり、メトロポリタンやシティホテルよりは安く、しかし建物や立地もいい、という基準で選んだ。場所的にいうと神保町、九段下、三田、六本木、大手町、浜松町、日本橋、上野、茅場町などチェーンは12,3ヶ所あり大阪・心斎橋にも1軒ある。ようするに完全な都会志向で、ロビーやエントランスに金をかけ、部屋の最低サイズはセミダブルで、ビジネスホテルっぽくないのが特徴だ。シンプルなシティホテルといった趣である。欠点は各ホテルごとに部屋の内装やサービス、ホスピタリティーの統一がとられていないこと。そのためあたりはずれが大きい。神保町は狭すぎるし、六本木アネックスは建物そのものが汚れている。部屋はいいのに上野は場所が辺鄙で、茅場町も交通の便が悪すぎる。いまのところ100点満点は三田だけだ。JR田町駅のそばで、まだオープンしたばかりなのだが、たぶんここと六本木の本館はもう少し時間が経てば宿泊費をほかよりも高く設定してくる、と小生は読んでいる。あまりにもほかと差がありすぎるからだ。だから三田を常宿に選んだとしても人気のため予約が取れなかったり、宿代を1万円以上に設定されると、ほかのところを選ばざるを得なくなる恐れがある。このへんが難しいところだ。もうこの年になると毎回違うホテルに泊まるのは疲れる。気を使わなくて住む常宿が早く、ほしい。
(あ)
六本木のホテルの窓の光景
三田のホテルから見える光景
三田の受付。豪華でしょう
上野の窓から見える光景

No.337

10年後、新聞とテレビはこうなる(朝日新聞社)
藤原治

 元電通総研の社長が書き下ろした「未来予測」の本である。学者やよく素性のわからない評論家の、時流に乗った(編集者に無理やり書かされた)本でないせいか、十分説得力はある。これから10年間で起きるもっとも大きな事件の核心は、たぶんメディアの「広告出稿の形」である。それによってテレビや新聞といったメディアのありかたは激変する。いや逆か、既存メディアが崩壊するときに、広告はどのような形になっているのか。それをその世界の専門家が自らの利害と真剣に向き合って予測した本である。リアルになるのも当然だ。論の中心には「2011年の完全地上デジタル」だ。この年を境にして数年後、テレビも新聞も雑誌もラジオもすべてのメディアは融合を余儀なくされ「eプラットホーム」という単一メディアに統合されてしまう、というのが著者の予測である。第四の権力ともてはやされ就職戦線でも人気の大手メディアは、その足元が地盤沈下の危機にさらされながら、最終的に単なる「eプラットホーム」にソフトを提供するだけのツールになってしまうというのだ。なるほど、広告サイドから考えてみれば、そうはなっても広告がなくなるわけでなくプラットホームの中で生き残る。でも、大筋でこのシナリオに近い線に落ち着くのかもね。

このページの初めに戻る↑


backnumber
●vol.337 2月24日号  ●vol.338 3月3日号  ●vol.339 3月10日号  ●vol.340 3月17日号 
上記以前の号はアドレス欄のURLの数字部分を直接ご変更下さい。

Topへ