Vol.347 07年5月5日 週刊あんばい一本勝負 No.344


こともなく、ごく普通のGWでした

 例年通り、恒例の仕事漬けGWで、あいもかわりません。忙しいから仕事をしているわけではありません。ぼっ〜っとするのがイヤなので、無理やり新聞連載などの原稿を2ヶ月先まで書いたりしてます。時間がいくらでもあると原稿はなかなかはかどりません。
 28日は三ツ森山に登ってきました。400メートル台の小さな旧雄物川町と旧東由利町にまたがる一等3角点の山です。この日は快晴、山頂には全国に24ヶ所しかない天測点用の大きな石座がありました。
 GWは気持ちいい山登りから幸先のいいスタートを切ったのですが、その後がいただけません。ダラダラ机の前に垂れ込めているだけで、一向に仕事ははかどりません。気分転換に実家を訪ねて弟夫婦と同居している母親のご機嫌伺いで、時間をつぶしました。エアロビのレッスンにも出ました。でも腰が重くて(比喩でなく本当に)身体の切れがいまいちなのです。翌日はタイ式マッサージをやっている元エアロビの先生を紹介してもらい、腰痛体操をしてきましたが、これはまあリフレッシュですね。目標にしていた原稿の6割がたはできたのですが、それが5月5日で、もうほとんどGWは終わってます。
 5日の午後から、腰痛がよくならず(たぶん登山やウオーキングの筋肉痛)近所の整骨院に行くと、「背中の筋肉が疲労で悲鳴を上げている」のだそうで、その整体(スポーツマッサージ)でかなり身体が楽になりました。これに気をよくして街を歩いてきました。中心部のホテル内にあるうどん屋で天ぷらを肴に昼酒を一杯。ココラボというギャラリーを覗いて、川反を横断し、駅裏に出て、近所にオープン予定のスポーツクラブの見学会に参加し、フラフラにながら帰ってきました。なんとも情けない話ですが、毎年GW はこんなんです。
 私のGWは、5日午後の散歩のひと時が、まさにハイライトでした。
(あ)
改装工事の終わった事務所
昼からうどん屋で一杯
川反を流れる旭川も曇り空に映えている

No.343

編集者という病い(太田出版)
見城徹

 あまり期待しないで読み始めたのだが、めっぽう面白い。著者の元親方である角川春樹の本が、そのものものしさとは裏腹にちっとも面白くなかったのとは対照的だ。だれもこんな自分の本なんか期待していないだろう、という力の抜け方が、かすかに行間から感じられるような気もする。編集者が本を出してはダメ、という姿勢をかたくなに守ってきた著者だが、この本を書いたのは版元の社長との友情から。さらに現役編集者としての総決算の意味もあるという。でも本書にそうした気負いや力みはまったく感じられない。自分が手がける「命がけの本」にくらべれば、どうってことのない本ですよ、という謙虚さがいい味になっているのではないのか。付き合いの深かった作家たちを前面に出したエッセイの構成も成功している。尾崎豊について書かれた項が抜群に面白いが、ユーミンや中上健司、坂本龍一、山際淳司など、これまで書かれたことのない側面をきっちり書いている。同業者として編集者の本に興味を持つのは、実は本作りの現場の話などではなく、それ以外の私生活や趣味にかかわる部分である。独身で犬好き、四六時中、これはという入れ込んだ作家と行動を共にする。こうした編集者(著者)が引退を表明すれば、日本の活字離れはますます勢いを増すかもしれない。

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