Vol.35 4月28日号 週刊あんばい一本勝負 No.32


初めての合コン

 50歳をこえて初めてといっていい合コンを経験した。共同通信や毎日新聞の20代の若い女性記者たちと「和食みなみ」で飲み会だったのだが、メンツに女性のほうが多い飲み会はたぶん生まれて初めての体験である。当日、小生は横手で仕事だったのだが「合コンがありますので」と自慢げに言い残してそそくさと帰って来た。若い女性たちとお酒を飲む機会が少ないせいか、飲み会が始まるとすぐにハイな気分になり、気持ちよく酔っ払ってしまった。彼女らのエネルギーをもらってこちらまで元気になってしまうのだ。これからもこうした会を続けたいと切に願っているのだが、何せ彼女ら、コンパの最中もひっきりなしに社から電話が入ってくる。うまくコンパにたどり着いても事件が起きれば呼び出され、すぐに駆け出していかなければならない立場にいる。会の半ばで皆帰ってしまうのではと心配したのだが、最後まで付き合ってくれて一安心。次回は6月あたりでいかがですか。
 ちなみに、この飲み会の代金は何も考えず小生が払ったのだが、ある若者に、それって合コンじゃなくて援助交際じゃないですか、と笑われてしまった。
(あ)

これが証拠写真

この記事って、なんか変

  4月16日の朝日新聞文化面に出た「小部数出版へ未来社の試み」という記事は、よくわからない。何度も繰り返し読んだのだが、ようするに組みファンクション付のパソコンで原稿を著者に書いてもらえば製作費を15パーセント節約できることを発見した、ということのようである。具体的に製作費の内訳も書いてあるので「なるほど」と思う人もいるだろうが、これって10年も前にいろんなところで(出版社が)検討した結果、結局は印刷所の技術革新が目覚しく、かつコストパフォーマンスも編集者がやるより印刷所に任せたほうがずっと安く能率的に出来ることがわかった時点で、もう解決済みの問題だと思っていた。未来社のみがこの辺の印刷事情を知らなかったとしか思えないのだが、もっと業界全体の問題点を知ってから朝日新聞も記事化する必要があったのではないのか。記事が出た2日後、未来社からこのノウハウをまとめた本とCD―ROMが送られてきた。当然御礼をしなければならないのだが、「この程度のことはどこも考えていて、もう解決済みの問題ですよ。今はもっと上のレベル(専門書や社内雑誌のウェブ化をどうするか)で激論を戦わせるべきときではないですか」なんて、諭すように書いたら怒るだろうなあ。
(あ)

朝日新聞の記事

倉庫の改築工事はじまる

 倉庫の改築工事が始まりました。工事といってもなかの本をかたづけるのに2日間、解体に一日、建て込みに2日間という短さなので、この連休中にかたをつけてしまう予定です。
 なかの本は緊急に3ヶ所ほどの場所を確保し1週間の約束で保管してもらっているのですが、この保管場所の確保が結局一番難航した仕事でした。倉庫は築20年のプレハブで限界にきていましたが、今回の改築で2階建てのモダンなプレハブに生まれ変わります。建て込みが終わるとすぐに内装業者が入って棚を作ってもらい、本を戻して完成という段取りですが、やっぱりこの本を戻すという作業がいちばん時間がかかりそうです。
(あ)


解体され土台が組まれた倉庫跡

山本容子展をみてきました

 NHKの仕事で上京中に宿泊していたホテルで「山本容子展」をやっていたのでみてきました。本の装丁などに使われる彼女の絵はなんとも品格とユーモアがあって好きなのですが、これほどたくさんの作品を一度にみると(似たサイズの絵が並んでいた)みな同じように見えてごちゃごちゃとうるさい感じがして退屈してしまいました。もっとゆったりした空間で絵のサイズもいろいろあれば、余白が生きるのに、というのが正直な感想でした。展示の方法というのも難しいものですね。好きな作家だったのですが、この展示を見て、この程度の作家なら外国にたくさんいるよなあ、という印象をもってしまいました。残念。
(あ)


山本容子展のチラシ

道の駅は楽しい

 秋田の道路情報誌「ラルート」の原稿を担当するようになって、「道の駅」が気になりだしました。秋田県内には19ヶ所の道の駅がありますが、そのうち10ヶ所に行った経験があります。実際に原稿を書いたのは3箇所ですが、道の駅を見かけると「いつかここの原稿を書くことになるかもしれない」と思い、つい中を覗いてしまいます。やはり、後からできた道の駅の方が温泉施設やシャワー室などの附属施設にいろいろ工夫があって集客力も多いようです。
 道の駅の人気が高いのは実は東北地方だけ、という話を聞いたことがあります。この辺の理由も突き止めていきたいものです。さて、これからどんな工夫やユニークな設備を持った道の駅がでてくるのか楽しみです。
(富)

初めて立ち寄った道の駅・かみおか

No.32

田澤拓也(TBSブリタニ)
空と山のあいだ

 「岩木山遭難・大館鳳鳴高生の5日間」というサブタイトルでわかるように昭和39年に起きた秋田の高校生が青森の山で起こした事故を克明にたどったノンフィクションである。なぜいまさら、という感じもするのだが「第8回開高健賞」受賞作品である。先日、同じ著者の『脱サラ帰農者たち』がなかなか面白かったので読んでみたのだ、もう35年も前の話なのに本文に知っている人たちの名前がたくさん出てきて夢中になって読了してしまった。読了してから唯一の生存者であり、この本のメインの証言者である『村井さん』という重要人物(この人が生存していなければこの本はなかった)が、小舎の刊行した『南北アメリカ徒歩縦横断日記』の著者と深い接点を持った人物であることに気がついた。最近、本を読んでいても突然自分にかかわるような記述や関係者が出てきてうろたえることが多くなってきた。出版の世界そのものが狭い世界で、そこで30年近く生きてきたのだからしょうがないことなのかも。
(注・村井さんは人違いだったことが後日判明しました)
 

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