Vol.388 08年2月23日 週刊あんばい一本勝負 No.384


腰痛には椅子がいい、のだと思う

 2週間ぶりのスノーハイキング・金峰山(横手市)は好天で気持ちのいい汗をかいた。山に登った後は夜の散歩もなし、すぐに床に就く。山の後に入る温泉の影響もあるのだろうが疲れがドッと出てしまう。この日も10時前にベッドで入り、バタンキュウ(古い!)でほぼ10時間熟睡。
 でも年とってから確かに疲れは取れにくくなった。疲れやすくなった上に、取れにくくなっているのだから「疲れ対策」を真剣に考えないといけない時期なのかも。その反面、持病もなく、運動にはもっともやっかいといわれる「腰痛」と無縁なことは本当に幸せに思っている。腰痛と無縁だったのは、いろんな理由が挙げられるけど、「椅子がいいから」と自分では信じている。デスクワークが中心なので、一日の生活で椅子に座っている時間が圧倒的に長い。だから他にゼイタクはしないが時間的に長くつきあう椅子だけは「ゼイタクでもいい」と若いころから思っていた。20年以上前から事務所の椅子はレカロだし、もうひとつあるサブデスクの椅子もハーマンミラーだ。家の書斎の椅子も同じハーマンミラーだし、同じじころロッキングチェアーも買っていて、それは北海道・アリスファーム産の手づくり。そのロッキングチェアーは、ふとしたきっかけでカミサンの気に入るところとなり、書斎から居間にいつのまにか移動し、今はカミサン専用になってしまったが、20年以上使っているのにどこひとつガタがきていない。
 これらの椅子の欠点は長時間座り続けていると寝てしまうことだ。ふつう、デスクワークをして眠くなればソファーやベットで横になるのが普通だが、座ったままで熟睡できてしまうのだ。
 けっこうハードな運動をしているのに腰痛と無縁でこられたのは20年以上座り続けている、この3タイプの椅子のせいでは、と実は信じている。
(あ)
四半世紀使っているレカロの椅子
アリスファームの椅子は本当に丈夫
家の書斎のハーマンミラー

No.384

越境者松田優作(新潮社)
松田美智子

 松田優作の出演した映画やテレビを見たことがない。なのにその評伝を読もうと思ったのは、彼が在日朝鮮人という出自を持ち、なにかと話題になることの多かった俳優だからだ。昔、悪役俳優として名を馳せた成田三樹夫さんの遺稿集をつくるとき、編集に携わった芸能関係者から、なにかにつけて「松田優作」の話題が口をついて出た。本には出てこないが、成田三樹夫は松田優作が尊敬する俳優の一人だったらしい。もう1点、この本が興味深いのは、書いたのが元妻であることだ。その元妻は離婚してから、ノンフィクション作家としてひとり立ちした、というのも面白い。元妻が自分の離婚や暮らしを語るのは、興味よりも警戒のほうが先にたつが、プロの物書きが下世話な自分の離婚話を書くはずはない。その予想は当たった。下世話な部分は極力筆を押さえ、疑問点はこれでもか、というほど筆法が鋭く、容赦がない。在日朝鮮人という国籍がこの俳優にとって、とてつもなく大きな「壁」であり、エネルギーの源泉でもあったのが、身近な場所で冷静に見ることのできた著者の目で淡々とつづられていく。著者にとって取材対象との距離のとり方が、難しいものだったに違いないのだが、本書ではその距離感が最後まで崩れず、評伝として成功している。

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