Vol.40 6月2日号 週刊あんばい一本勝負 No.37


石川秋田市長の辞任

 政治の話題に触れるのは好きでないのだが、石川秋田市長を巡るこれまでの朝日新聞秋田支局の調査報道には大きな関心をもっていた。朝日だけのスクープだったので「勇み足にならなければいいが」と杞憂していたのだが、市長の唐突な辞任によって朝日の報道の正しさが証明された。勇み足を危惧したのは、市長のこの10年余のうわさ中には酒や女、取り巻き、金にかかわる悪評がいやになるほど立ち昇っていて、この程度は氷山の一角、悪いことをしているという意識さえ本人や取り巻きにはないのでは、と思っていたからだ。じっさい突然の辞任劇は、この問題を深く問い詰められると芋づる式に他の「もっとやばい」ことがワサワサと出てくる恐れがあるからだろう、といわれても仕方がない。しかし「妻の看護のために市長を辞める」というアイデアは、完全にこの人物の底の浅さを露呈したと思う。このアイデアはいずれ彼の致命傷になるような気がする。それにしても3期もこんな人物を首長に選んできた市民のレベルを問われることになるから、小生も偉そうなことはいえない。
(あ)

これが発端の全国版朝日の記事

今日も「和食みなみ」で

 先週、2人の新聞記者の方が来舎した。一人は毎日新聞地方部特報班のSさんで「地域報道2001」という連載の囲み記事を書くためである。もう一人は取材ではないが、秋田支局当時から親しくさせてもらっている朝日新聞企画報道室の清水弟さんで、秋田で会うのは久しぶりである。清水さんの秋田時代、彼の書く記事は小生はじめ多くの人にさまざまな波紋や影響を与えた。今も県内に清水ファンが多くいるのを見ても、それはわかる。今回は県南から農民運動家の高橋良蔵さん、後輩にあたる渡辺朝日新聞秋田支局長も来てくださり4人で「和食みなみ」のかんばんまで歓談。支局長は市長の辞任劇の真っ只中に駆けつけてくれた。今回の石川市長の疑惑報道で本社から編集局長賞をもらったそうだが、浮ついたそぶりを一切見せないのは、まだ事件は終わっていないとみているからだろうか。
 ところで朝日新聞がらみの「週刊ニュース」が続いたが、本欄にたびたび登場する「和食みなみ」の若夫婦は朝日新聞のファンで、隅々までよく読んでいる。旦那さんは大阪で修行した秋田県人で奥さんは大阪人、いま2人目のお子さんを身ごもっている。無明舎が毎週のようにお世話になっているお店である。よろしく。
(あ)

この2人が切り盛りしている

自転車置き場と草取り名人

 事務所や倉庫の改装工事のドサクサ紛れに大工さんにお願いして事務所の脇に自転車置き場を作ってもらった。なかなか立派なものである。どこへ行くにも車なのだが最近は意識して自転車を使うようになり、来客の中にも自転車の人が増えている。それと毎年2回シルバー人材センターから派遣されてくる草取り名人石塚さんも今週来てくれた。石塚さんはとにかく速くてきれいな仕事をするので評判がいい。実は彼女、無明舎の草取り仕事人2代目で初代が高齢のためリタイアした後を受けてのもの。この2つの仕事のおかげで事務所の周りはすっきり。大工さんや草取り名人はみんな長い付き合いで、わが舎はそうした人たちによって支えられている。
(あ)

石塚さん

自転車置き場

お昼は炊き立てのゴハン

 事務所に炊飯器と電子レンジが備え付けられました。今まではお昼になると近くのスーパーやコンビニに弁当を買いに行くのが恒例で、毎日何を食べようか悩んだり、似たようなおかずで飽きてしまったり、けっこう昼食は悩みの種でした。しかし、炊飯器が やってきてからの昼食はちょっと違います。炊き立てのご飯があれば特別なおかずがなくても、のりや梅干だけでも充分満足できるから不思議です。最初は「事務所に炊飯器?」と戸惑いましたが、今ではありがたい存在です。ただ、ご飯がおいしくて、ついおかわりして食べすぎてしまうのが欠点です。
(富)

これが新登場の炊飯器と電子レンジ

No.37

関根淳(太田出版)
モンゴル野球青春記

  友人の書籍情報社の矢部さんから「うちのアルバイトで、モンゴルで野球指導をしてきた面白い男がいるんです。秋田出身なので今度会いませんか」と事前に紹介されていたので、「美津濃スポーツノンフィクッション賞」をもらったという本書を読んでみた。著者のまじめな性格がよく出ている文体で、真正面から時間軸に沿ってモンゴルでの四年間が綴られている。前半はあまりに淡々とした記述のために退屈で何度か放り投げそうになったが、後半から一挙にストーリーが動き出して面白くなる。読み終わると、登場人物の恋人(らしい)ソロンゴとその後どうなったのか、気になってしょうがない。矢部君にメールすると五月に東京で結婚式を挙げる予定だという。よかった。タイトルも構成ももっと練り直せば、かなりの話題作になったのではないのだろうか。テーマも素材も申し分ないので少しもったいない、と言うのが正直な読後感である。(著者は秋田出身ではなくご両親が現在秋田に住んでいると言うことらしい)

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