Vol.413 08年8月16日 週刊あんばい一本勝負 No.409


鳥海山・お盆・オリンピック

 その時々の体調や仕事の具合や天候にも左右されるのだが、この1週間はずいぶん長かった印象がある。  というのも1週間前、友人と二人で鳥海山に登ぼった(矢島口)。ヘロヘロに疲労困憊し下山したのだが、週1ペース登山による疲れに違いない、と確信し、「来週は山登りを自粛しよう」と固く誓った。ところが、これを書いている今、あの一週間前の出来事などケロリと忘れ、また週末恒例とばかりに山行(ひとり乳頭山)準備をしている。いやはや、本当に先週の鳥海山は、もうずっと過去の出来事に思えてしまうのだから、やはり1週間は長かった、のだ。

 それにしても先週の鳥海山は、なんとなく登りはじめからヘンだった。天気は快晴、寝不足がちょっと不安だったが準備は万端。張り切って登りはじめたのだが、はなっから足が重い。一汗かけば調子は戻ってくるはず、とゆっくりペースで歩き出すが、一向に自分のリズムにならない。ほうほうのていで4時間かけて頂上にたどり着いた。ひどかったのが下山だ。岩場で足がつりそうになり3時間10分もかかって、ようやく祓川ヒュッテにたどり着いたころには、疲労で口をきくのも億劫なほどだった。寝不足や過労が原因なのはまちがいないのだが、初心者のクセに自分の力量を過信、分不相応の山だったようだ。でも今年中に鉾立側からもう一回チャレンジを計画しているので、懲りないオヤジです。

 お盆は、ずっと事務所で仕事をしていました。電話もメールも少ないこの期間中は原稿書きがはかどります。週一で連載している北鹿新聞のコラムや朝日新聞県版エッセイ、HPの書評など、まとめて数回分を書き溜めしました。
 お盆に入る直前に、秋のDM発送のための準備作業をすべて終えていたので,精神的にもリラックス、執筆モード全開になれたのがよかったようです。
 オリンピックはあまり興味はないのですが、マラソンだけは大好きなので、野口みずき事件には、ちょっとショックを受けました。
(あ)
頂上は快晴
余裕の笑顔ではなく疲労困憊の笑顔
これはヘロヘロ下山途中

No.409

ロズウェルなんか知らない(講談社文庫)
篠田節子

 私の周辺でも「村おこし」は日常的な風景だ。その活動に奔走する若者や、講演活動でサポートする友人も少なくない。ときどき「村おこし」って何、と懐疑的になることもあるのだが、他者が真剣に生きている地域のことについて、少なくとも無責任な言説だけはすまいと心に決めている。
 本書はUFOで村おこしをする青年たちを描いた長編小説である。巻末の協力者に「UFOの里・福島県飯野町」とあるから、本当にあるんですね、こんな自治体が。表題の「ロズウェル」の意味に少々戸惑うが、本文にはなかなかこの言葉の説明が出てこない。中盤で初めて出てきて、アメリカの地名でUFOの聖地といわれる場所の名前だったことがわかる。
 それはいいのだが、文庫本の解説を書いている「皆神龍太郎」という「疑似科学ウォチャー」なる人物が、のっけから「作中には題名にある〈ロズウェル〉という単語が、一度も出てこない」と書き出し、長々と「ロズウェル」の説明をしている。オイオイ、作中にちゃんと1箇所だけだが触れているよ。これはいくらなんでも文庫解説としては問題だろう。編集者はなぜ書き直しをさせなかったのかな。たぶん解説の文章をチェックをしていないのだろう。さらに皆神さん自身は、本文を斜め読みですませたのかも。こんなお粗末な文庫解説もあるんだ。

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