Vol.471 09年9月26日 週刊あんばい一本勝負 No.466


神室山・墓参り・塩熱飴

21日敬老の日、神室山に登ってきた。「神室に登らなければ趣味が登山なんていっちゃダメ」と山仲間からよく言われていた「難関」なのだが、山登りをはじめて3年目にして、ようやく登ることができた。ただただうれしい。静かで端正な山らしい山だった。これならまた来てみたい。頂上に立った時、ここにずっと座っていたいなあ、と思わせる見晴しのよさと達成感があった。

翌日、お盆に行けなかった父親の墓参りに湯沢へ。なんとなく突然に思いついたのだ。前日の神室山登頂の達成感も、心になにかしらの影響を与えていたのかもしれない。小雨のなかの市営墓地に人影はまったくなかったが、やけに他の墓の供物がにぎやかだった。「へ〜っ、湯沢の人って信心篤い人が多いんだね」などとカミさんと話していたのだが、家に帰ってテレビを見ると、今日は「彼岸の中日」だった。いやはや「虫の知らせ」だったのか、ナンチャッテ。

秋の愛読者DMの注文カードが続々と返ってきている。本の注文と同時にその余白に「塩熱飴はどこで買えますか」という問い合わせがかなり多い。DM通信に「山歩きの時のケイレンが塩熱飴をなめるようになって、ぴたり止まった」と書いたからだ。そうか、読者の多くはそこに食いつくるの。一番読み飛ばされると思ったとこなのに。塩熱飴は作業着などをつくるメーカー「ミドリ安全」の商品である。そのためなかなか一般のコンビニやスーパーには置いていない。私はネットで直接、1キロ入りのいわゆる「業務用」を買った。「塩飴」という商品ならスポーツ用品店やスーパーにもある。これも試してみたのだが、塩熱飴のハードさ(辛さ)とは比べ物にならない。塩熱飴はハードな運動用である。水と一緒に、と断り書きがあるほどだ。ケイレンにお悩みの方は「塩熱飴」が断然お勧めだ。とくに汗っかきの人に。
(あ)

No.466

ショーケン
(講談社)
萩原健一

 あまり興味のない役者だが、本としてはタレント本の域を超え面白い、という噂を聞いていたので古本で買い求めた。読んでみたら、これが本当に面白い。赤裸々に自分の半生をさらけ出した、という売り文句だが、確かにここまで舞台裏をばらすタレントは珍しいのかもしれない。個人的には黒澤映画を降りることになる勝新との関わりの部分が面白かった。撮影に来ようとしない勝新をショーケンがホテルに迎えに行くと、勝はある女優と大麻もうもうの部屋に閉じこもっていた。この女優は黒澤映画に出たくて勝新の周りにこびりついている大物のウンコ女優だそうだ。実名でないのが残念。ほかに樋口可南子の名前も出てくる。彼女の場合はショーケンの「魔の手」(女ったらし)から逃れた(りっぱな)女優として登場するのだが、それにしてもこのへんの実名はアンフェアで、樋口さんがかわいそう。次々と離婚を繰り返し、懲りずに薬に手を出し、役者バカを自認しても、「チンピラ」という社会的範疇のなかでうごめいている半端もの、というのが現在のショーケンの立ち位置だろう。「ショーケン」というあだ名の由来も興味深い。学生の頃、同じケンイチという大物番長がいたので、その使い走りなので「ショーケン」(小ケン)ということのようだ。「のようだ」というのは、あきらかに前後の文脈からそう読めるのだが、著者は断定できるようには書いていない。

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