Vol.49 8月4日号 週刊あんばい一本勝負 No.46


やはり問題があった「プロジェクトX」

 NHKのテレビ番組「プロジェクトX」の「白神山地 マタギの森の総力戦」は、地元の私たちですら知らない事実の断片をつなぎ合わせて「大感動物語」に仕立てられていた。しかし「面白かったけど、ちょっとやりすぎでは」との懸念もあったのだが、やはり青森側の運動を担った人たちから正式な謝罪と訂正の要求がNHKに対してでたようである。当然だろう。あまりに作りすぎ、絵空事の美談になりすぎていたから。白神の番組を見てから、「この番組は6割ぐらいは眉に唾付けてみるもんなんだ」とわかったので、ラクビーで不良少年が立ち直った、なんて言う内容も「それに倍するくらい傷をおって辞めてった人間もいるんだろうな」とバランスをとってみるようになった。
 この番組はノンフィクッションと言うより黒澤明の『7人の侍』や『用心棒』のシノプシスを援用した劇映画だと思えばいいのである。製作が東京ではなく秋田放送局であるのも少し引っかかった。地元製作だから内容チェックが甘かったと言うことはなかったのか。
(あ)

青森の地元紙の記事

飛行場までノンストップ20分

 秋田空港までの高速道が開通したので走ってきた。これは便利である。小舎の裏手にすぐ秋田自動車道中央インターがあるので、もともと県南や仙台に行くのに便利がよかったのだが(逆に市街地にでるのが大変)、さらに空港インターができ飛行場まで20分弱で行けるようになった。これならタクシーを使っても3000円ぐらいで大丈夫(これまでは6000円)。自分が使うだけでなくお客さんの送迎に頻繁に利用するから、とにかく私たちには朗報である。東京がさらに近くなったし、ソウル定期便が就航すれば世界が一挙に狭くなった気分である。県民にとってどこが遠いかといって住んでる場所から秋田空港までの距離が一番のやっかいものだったのである。ちなみにこの道路は近い将来、新潟市を起点とする北陸自動車道と結ばれ、日本海東北自動車道(総延長250キロ)につながる予定である。
(あ)

完成図より

吉永直子さんの絵

 去年、いつも行く神保町すずらん通り欅画廊で吉永直子さんの展覧会をやっていたので小品2点を買った。ふだんはイラストレーターとして地図などを描いて生活している若い女性なのだが、なかなか風情があり好きなタッチのシンプルな絵なので油と水彩を求め自分の部屋にかけている。いい絵は毎日みても飽きないから不思議だ。その吉永さんだが絵を買っていただいてありがとうという気持ちからか、四季折々に葉書大の水彩の直筆スケッチを送ってくださるのである。これはありがたいやらもったいないやら。春に一枚目をいただき恐縮していたら「夏の号」も今日届いた。神保町すずらん通りの裏通りの絵である。東京は熱暑だが、水彩絵の具にとっては紙の上で混色しやすくなるから「蒸し暑さ」もまた大歓迎なのだそうだ。うれしい暑中見舞いである。
(あ)

これが届いた水彩

シナリオ募集ポスターが出来ました

 CD−ROM「秋田のことば」収録シナリオの募集ポスターとチラシが出来あがってきました。来週あたりから県内の図書館や公民館、温泉など、公共施設を中心に配布される予定です。どこかで見かけたら、使われている写真などじっくり見てください。写真はすべて無明舎出版が刊行した書籍の中から選ばれたものです。デザインは能山為善さん。できればシナリオ応募もよろしくお願いします。今回はポスターの大きさをわかっていただくために、私が横に立たせてもらいました。ね、大きいでしょう。
(富)

出来あがったポスター

No.46

岩明均(講談社)
雪の峠・剣の舞

 来年は秋田藩主の佐竹氏が常陸から秋田へ転封されて400年の記念すべき年になる。関ヶ原の戦いで西軍(石田三成)について徳川家康に睨まれ、秋田に転封された佐竹義宣が久保田(今の秋田市)に城を築くまでの曲折を漫画で描いたのが「雪の峠」である。雑誌「モーニング新マグナム」の増刊号に連載されたものらしいが、漫画雑誌をほとんど読まない小生にはこの漫画家のことも掲載紙も全く初耳で、よくわからない。日頃、秋田や東北の歴史をわかりやすい漫画で出版できれば若者たちも読んでくれるのでは・・・と淡い希望を持っていたのだが、実は歴史をきっちり理解していなければ歴史漫画は書けないし、ただ単に漫画がうまいだけの人では手に負えないジャンルであることがわかり、この手の企画はあきらめた。しかし、どこかに描き手はいるものである。この漫画家の出自はまったくわからないが、資料をよく読み、歴史をかみ砕いてわかりやすく仕上げただけでなく、その中に物語りをすくい取り、情感、哀切あふれるストーリーを作り上げている。

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