Vol.51 お盆中の出来事 週刊あんばい一本勝負 No.48


仕事三昧

 今年は丸々1週間休むから週末も入れると9日間のお盆休みということになるが、直前に東北6県の地元紙や朝日新聞に全3段の広告を打ったために安倍、渡部、柴田らは連日出勤と相成った。新聞広告を出すと問い合わせが多くなる。それに応対するため事務所にいるわけだが今回のように帰省客に合わせて大きな広告を11本も打つというのは珍しい。そのため期待感もあったのだが、毎日平均50冊程度の注文で、これは可もなく不可もなくといったところか。新聞広告と同時に6000通ほどのDM発送もこの期間を利用してやってみた。この準備はけっこう大変なのだが(パンフを作ったり封筒つめこみ作業)他の作業に邪魔されない今がベターなのだ。こうした営業プロモーションがどれほどの効果をもたらすかは不明だが、少なくと何もやらないよりは1冊でも多く本が動くのは間違いない。お盆休みは暑くて動きたくないから、何か仕事があった方が気分的にラクなである。クーラーのきいた静かな事務所でマイペースの仕事するのが一番の避暑である。
(あ)

成人式

 事務所にこもってばかりでは気分が変になる。2,3度は外に出た。用事を見つけて行った義母の家の前で、子ダヌキに遭遇した。親とはぐれて道の真ん中に出てきてしまったようで山に帰してやろうにも立ちすくんで動いてくれない。近所の人も出てきて山の方に追い立てようとするのだが道端の草むらに隠れて震えている。犬猫に襲われなければいいのだが。増田町の成人式にも出かけてきた。矢口高雄氏の漫画美術館のあるところである。去年の成人式の例もあり、騒ぎ出せばすぐに帰りますよ、と釘をさしていたのだが、あにはからんや静かでマナーをわきまえた成人たちであった。しかし男の服装が全員同じ黒も3つボタンスーツというのの奇異な感じだった。昔は女が振袖で、あれも気持ち悪かったが今は男の方が画一的なようだ。帰りに増田町の親戚で墓参り。湯沢の実家にもよる。
(あ)

モノクロ名画を観ながら

 家ではクーラーを聞かせて毎日ビデオ映画を一本ずつ観ている。ほとんどが近所から借りてくるモノクロの名画である。なかには以前に観たものもあるのだが自分の部屋の大きな液晶テレビでみるという環境のせいか新鮮で再発見が多い。前は事務所の2階で仕事机の前で来客や電話のあいまに盗み見するような環境だったので、観終わったといってもストーリーすらおぼろげなものがたくさんあった。映画はゆったりした気分でリラックスしてみるものであることを再認識。この1ヶ月間で好きなウディ・アレンはほとんど見直したし、黒澤明のモノクロもの、「自転車泥棒」「81/2」といったイタリアもの、ビリーワイルダーの「アパートのかぎ貸します」「お熱いのが好き」とまあ、よく観ました。しばらくは映画のために本を読めない状態が続くのも善しとしなければなりませんね。もっと厄介なのは部屋でビールを飲んだりつまみ類を口にする癖がついたことでしょう。これはやはりやばいなあ。どこかでストイックな線を引かないと、小生のようないいかげんな輩はどんどんだらしなくなるのが目に見えている。
(あ)

仕事の中間報告は

 お盆休みは1年を通してちょうど仕事の折り返し点である。決算の9月からみれば、この時点で今期の9割の業績は判明しているラストスパートなのだが、結果はもう見えている。今期は去年度よりちょっといいぐらいである。2001年度の前半としては出版点数が例年になく多く快調な滑り出し、といったところか。何せこの6月7月8月はどこにも出かけず机にしがみついて仕事をした結果で、こんな忙しい日々は2度と味わいたくない。秋からは少しのんびりする予定だが、いつもそんなことを言って、いつも実現したためしがない。不況風が吹き荒れる今の日本で売上を順調にキープしているのだから誇ってもいいと思うのだが、とにかく目先の仕事をやっつけるのが先決で自分で自分をほめるゆとりもないのが現状である。今年の前半の大きな特徴は出版点数の多さもさることながら、ホームページを「日曜版色付紙芝居」のレベルから脱却して、読み応えのある内容にするために毎日いじくったことであろうか。今は毎日100から150くらいのアクセスだが、これを1日300までのばすのが目標である。これは早く達成したい。
(あ)

No.48

伊藤昭久(論創社)
チリ交列伝

 ネット書店で本を買うようになってから、その棚ぞろえ(データベース)の策略に乗せられて似たような本をまとめて買うことが多くなった。たとえば『ホームレス入門』という本が話題になっているので買おうとすると類似書として本書や『山谷崖っぷち日記』(TBSブリタニカ)が並んでいて、ついついそちらにも食指が伸びてしまう。(蛇足だが『ホームレス入門』は羊頭狗肉そのもので久しぶりに『金返せ』といいたくなるひどい本である)。この手の『底辺本』(小生の命名である)に顕著なのは書き手がいずれもペダンチック、哲学的なことで、文学青年くささのある表現がいたるところに見られることである。本書もその例外ではないのだが奥付をみると著者の職業は『古書店主』で、本書は業界紙に連載されたものである。古書店の前は長く「原料屋」と呼ばれる古紙回収業に携わっていた関係で、そこで見たチリコーといわれる「ちり紙交換屋」さんの物語を書くことが出来たというわけである。本書に登場するチリコーたちは個性あふれ魅力的である。読んで損はしない本である。

このページの初めに戻る↑


backnumber
●vol.47 7月21日号  ●vol.48 7月28日号  ●vol.49 8月4日号  ●vol.50 8月11日号 

Topへ