Vol.530 10年12月25日 週刊あんばい一本勝負 No.524


今年最後の週刊ニュースです。

最後の忘年会も終わり、あとはゆるやかに今年の幕が下りるのを待つだけだ。
この年末、計5回の忘年会があり、そのたびに深夜まで酒を呑んでいた。
こんなに立て続けの忘年会など近年なかったことなので、体力が心配だったが、「このへんでペースを落とそう」という自制が効いたのが意外。年齢を考えれば当然か。酒はともかく帰ってからの風呂はまずい、ということにも気がついた。ようやく。頭がカッカして眠れなくなったので、これはやばいなと「呑んだらはいらない」と決めた。今年の忘年会の最大の収穫はこれだな。

週刊ニュースも今年はこれが最後。でも今年を総括、反省するのはまだちょっと早い。ひっかかったまま年を越す問題が残っているからだ。
現在、手がけていて年を越す出版予定の本は10本ほど。そのなかに問題含みのものが1点ある。直感的に「やばいな」と思ったのだが、なんとなく好奇心が勝ってしまい、やることになってしまった。まだ始まったばかりなのでやめるなら今なのだが、どうしようか悩みを抱えたまま。長く仕事をしていると顔の見えない、得体のしれない人物とも仕事をせざるを得ない。「悪気のない詐欺」(?)のようなものだと思うのだが、こちらにもここできっぱり身を引けない弱み(好奇心?)がある。

元旦は例年通り、「山の学校」の新年行事「筑紫森登山」に参加する。2日も引き続き「モモヒキーズ」の太平山・中岳登山。お屠蘇なんか呑んでる場合じゃない。家や温泉でノンビリしたい、なんていう欲望は露ほどもないのだが、身体を動かし汗をかいてから酒や温泉を楽しむのは、望むところ。酒も温泉も汗をかいたあとの「楽しみ」(ご褒美)で、それ単独では楽しくも何ともない。

ともかく、今年一年、お読みいただきありがとうございました。いや、誰も読んではいないのかもしれないけれど、どうにかこうして大過なく書き続けることができました。来年も、誰に望まれなくとも書き続ける予定ですので、お見捨てなく、よろしく。
(あ)

No.524

ビジネスマンのための「聖書」入門
(ディスカバー携書)
白取春彦

失礼ながら、なんとも「うさんくささ」さえ感じてしまう書名で、かつ装丁にも何の工夫もない。著者の顔写真も載っているが青森生まれで、顔も青森系(ってどんな顔だ)である。だがこの著者ただ者ではない。ベルリン自由大学で哲学、宗教、文学を学んだという経歴はともかく、いまニーチェの超訳なるもので話題の人物で、三笠書房やPHP文庫の「わかる」シリーズなどで、お世話になっている著者だった。著者名を知らないまま、この人の本をこれまで何冊読んだことか。とくに三笠書房の歴史文庫ものは何冊も読んでるなあ。本書はその三笠版をさらにわかりやすく噛み砕いた「聖書入門」書。ユダヤ教徒が世界史を動かしている、という視点から、「人類がそれまでかつて知らなかった啓示宗教のはじまりで、従来の自然宗教にはなかった倫理の実践を人間に要求した、それまでの宗教観念を超越したもの」とユダヤ教を定義している。国も土地を持っていない小さな民が、代々にわたって口伝で伝承してきた彼ら(ユダヤ人)の歴史であり、神との約束であり、そのことを彼ら自身「宗教」とすら考えたこともなかった、という説は説得力があるなあ。

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