Vol.54 9月8日号 週刊あんばい一本勝負 No.51


久しぶりの東京で

 2ヶ月ぐらい来なかっただけなのに、神保町は何かいつもと違う“まち”だった。ここ数ヶ月、ほぼ自宅と事務所にこもりっきりで、私の内部のなにかが変容してしまったのかもしれない。常宿の朝食やすずらん通りの書店の棚ぞろえ、会う人たちの疲れた表情、交わされる会話の内容……どれもが以前とはどこか連鎖が断ち切られたようなちぐはぐな印象だ。そろそろ本格的に東京に飽きてしまったのだろうか。それでも今回は精力的に何人もの人に会い、情報交換をし、仕事の打合せを3つこなし、大勢の人たちとお酒を飲み、神保町や新宿で本やウォーキングウェア、PC機器などをたくさん買った。秋田にいるとお金をほとんど使わない生活なのに東京は歩く歩数に比例してサイフが軽くなっていく。この街への愛が少しずつ冷めていく予感がする。
(あ)

神保町のすずらん通りの街並

冷凍さぬきうどんの凄さ

 ここ半年ほど、昼食は事務所隣りにある自宅に帰り、自分で作って食べている。作るといってもヤキソバやウドン、インスタントラーメンで、たまには具を多めに作って得意のジャージャーメンも食べる。とにかく外食はおいしいくないし、メン類の店が皆無、選択肢も少なく後悔ばかりするので、自分で作って食べる形に落ち着いた。昼に家に帰って洗濯物を取りこみ、風呂を洗い、朝ご飯の食器の片付けをするという「家事」も小生のノルマだから、ついでに昼食ぐらいどうということもない。それはともかく「メンの話」だが最近コリまくっているのが「日清どん兵衛」から出た「冷凍さぬきうどん」(150円)である。この汁もメンも絶品で毎日のように(夏の真っ盛りにも)食べ続けている。この冷凍ものに触発されてコンビニでいろんな冷凍メン類も試しているのだが、今のとところこれ以上のものに出くわしていない。
(あ)

これが冷凍さぬきうどん

最後の小屋が完成

 今年の春から倉庫や事務所のいろんな工事が断続的に続いていたのだが、今週末で自宅横の物置小屋が完成し、これで予定していた工事すべてが終了した。9月は小舎の決算月なので在庫のチェックなどで商品移動が激しく、これに工事が重なると混乱する可能性もあったのだが、どうにか混乱は回避できた。小屋の完成で私物や車輌関連の収納も可能になり、いろんなところがすっきりする(はずである)。これだけ大がかりな改修工事はあと5年はないと思っているが、ものの増える速度だけは、いつもこちらの予測をはるかに上回 るから油断はできない。
(あ)

これが新しい物置

山本悍右写真展/シュールレアリスト

 東京ステーションギャラリーで大正生まれのシュルレアリストで写真家・山本悍右の個展を観た。名古屋の写真材料店に生まれ、昭和初期にこれだけのモダニズムの技法を身につけたセンスには驚くほかない。この時期にダダやシュルレアリスムといった芸術理念を吸収し、その影響を日本できっちり受けとめ体現した力量にも感心する。やはりあの第2次世界大戦というやつが、こうした自由な風土や美意識をコナゴナに壊してしまったんですね。それにしても東京ステーションギャラリーの企画は毎回毎回すばらしい。ここの展示を観るためにだけ東京へいきたくなるほどですもんね。
(あ)

山本悍右展のチラシ

No.51

張芸真(朝日ソノラマ)
本日も不法滞在

 タイトルがうまい。サブタイトルの「入国管理局で会いましょう」というのもセンスがいい。おもわずタイトルだけで読みたくなる。中身はオーバーステイの外国人を入管事務所前で待ち受けて強制送還用の片道切符を売る(こんな職業があるというのもびっくり)韓国人女性の見聞記だが、文章が滑らかでこなれ過ぎのところからみてゴーストライターによる聞き書き執筆だろう。エピソードが細切れて物足らなさも残るが、とにかく驚くのはお隣韓国からの密入国や強制送還といったものが何かおどろおどろしい犯罪などではなく、ほとんど立小便クラスの犯罪意識で行われている事実である。さらに日本には韓国に対して根強い差別があるのに、なぜ競うように韓国女性が日本にきたがるのか。それは若い女性の水商売などの職業意識に、韓国国内では日本と比べものにならない激しい差別があるから、という指摘にも目からうろこである。男尊女卑が生きているのだ。韓国人ホステスたちのあっけらかんとした「生態」には笑える。

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