Vol.55 9月15日号 週刊あんばい一本勝負 No.52


今期の決算が出ました

 わが舎は8月が決算月です。ようやく数字が出ました。今期は去年からハイペースで新刊ラッシュが続き、ある程度の高い数字は予想していたのですが、ほぼ予想通りでした。ここ10年間、うわごとのように言い続けてきた「大台」を、はじめて100万円ちょっと上回りました。これだけでシャンペンでも抜いて祝っていいところですが、そう単純でもないことがわかりました。この10年、小舎は「奇跡的」に「右肩上がり」の成長をしてきました。数字だけを見るとりっぱですが実は利益幅は年々低くなっているのです。これは主に定期刊行物を作る経費が年々上昇しているからです。なぜそうなるのか。答えは簡単で「前より少しでもいいものを」という高いレベルの仕事をしなければ、簡単に仕事をよそにもっていかれるからです。ほかにも老齢化に伴って若いアルバイトの人たちがかなりルーティンワークの肩代わりしているため、以前は100万で仕上がったものが今は130万かかるようになっているのです。このへんが数字の割には苦しい台所事情というわけです。10月末までには税金と消費税の支払いが待っています。また銀行のお世話になるのかと思うとうんざりです。ま、それでもこんな時代に前年度比10パーセント以上の売上があるのですから贅沢はいえません。皆様のおかげです。ありがとうございました。
(あ)

今年になってから8ヶ月間に出した本

角館の祭りと出版パーティ

 9月8日、遠藤康先生の『ハッピー遠藤のガリ版学級通信』出版パーティに出席するため角館に行ってきました。角館はちょうどお祭りの最中で、有名な「おやまばやし」をはじめて見物してきました。祭りの参加者はほとんどが若者で金髪やピアスの女性たちも多く「祭りのために帰省する若者たち」の「伝説」が納得できました。一方で中高年者たちの参加がほとんどないのも気になりました。伝統的な祭りとはいうものの昨今流行の「よさこい祭り」ふうのノリがあるのかもしれません。パーティの方も出席者のなかにはパッピ姿で気もそぞろという出席者も多く(著者がその代表格)、当然パーティも祭りの時間帯とずらして設定されていました。パーティで燃料を溜め込んで長丁場の祭りに突入という態勢なのです。若い人が自分の町の祭りをこれだけ愛するというのはすごいことですね。
(あ)

角館の祭り

出版パーティ

宮城夏季国体カヌー会場で

 日刊アルバイターの柴田が出場していることもあって高速道を飛ばして、宮城の夏季国体を見てきました。カヌー会場は古川市の南西にある「鳴瀬川カヌー場」で事務所から約3時間ほどで着きました。カヌーはフラットとワイルドの2種目に分かれていて前者は流れのゆるい平板なコースで速さを競い、後者は流れのきつい急流で漕艇技術を競うものです。
 秋田県はこのワイルドに男女4人の選手を送り出していて柴田はその一人です。当日はスラロームの決勝が行われていて、小生の目の前で圧倒的な力の差を見せ付けて佐々木翼と村山夏実が男女で優勝しました。柴田はスラローム競技ではなくワイルドウオーター競技1500メートルに出場して23位(500メートル21位)で大健闘。男子の山岡君も実は最近無明舎でしばしばアルバイトをしてくれている秋田大学の学生で15位でした。
 優勝した佐々木君も村山さんもやはり無明舎でバイト経験があり、秋田県代表4人は全員つながりがあるので、応援にも熱が入った次第です。
(あ)

カヌー会場

優勝した佐々木くん

今週の花

 今週の花はスモークグラス、バニカム、鉄砲ユリ、リンドウ、ひまわり、ソニタラ。台風15号が通り過ぎて突然涼しくなり、秋めいてきました。そんなとき事務所に届いたのが、この花。ススキのようなスモークグラスがお月見を思い起こさせますが、あいにくここ数日は曇り空続き。いつになったら、きれいなお月様が見られるのでしょうか。
(富)

No.52

種村季弘(河出書房新社)
土方巽の方へ

 この伝説の(神話化された)舞踏家のちゃんとした評伝を読みたいと思い続けているのだがなかなか決定版が出ない。70年代に入ってほとんど踊ることをやめてしまった彼の最後のほうの公演を私は盛岡・県民会館で観ている。その後も弟子のビショップ山田が鶴岡に「グランカメリオ」という舞踏場を開設した折、土方はお祝いに駆けつけ、そこでビショップから紹介され一緒に酒を酌み交わした思いでもある。死後、秋田で追悼展(生きているころは一顧だにしなかったくせに)が開かれたり、夫人の回顧録のようなものが出版されたが、いずれも陰陽の「陽」しか書かれていないほめごろし本の類であった。本書は土方に最も近いところにいた人なので期待を持ったが、書下ろしではなくこれまで発表したエッセイの集大成でがっかり。私はこの秋田出身の天才舞踏家の核心は「ハッタリ」にあると思っている。そうした意味で寺山修司にきわめて近い人物のような気がするのだが、いかがなものだろうか。

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