Vol.559 11年7月30日 | 週刊あんばい一本勝負 No.553 |
地震日記20 身辺のぜい肉をこそげ落としたい | |
7月22日(土) 街を歩いていると色とりどりのハイブリッド車プリウスが目立つ。小生も5年ほど前、ホンダのハイブリッド車に乗っていたのだが、それはともかく、秋田の人々の高い環境エコ意識は慶賀にたえない、と思っていたら車のディーラーによると、ほとんどが「油代のランニングコストで選んだだけ」とのこと。ちょっとショックだ。ガソリン代が得という理由が圧倒的なのだそうだ。ま、それもいいだろう。ドイツの個人自家発電が盛んなのは政府が電気を全量買い上げてくれるからだ。高邁な理念がなくても、いいんだよね。 7月23日(日) 日曜日だけど仕事。暑さのため山遊びは休業中。そのためこんなことになる。義務のように週末山に行くのは、仕事から自分を引きはがすため。山はダメだけど、川遊びは魅力だ。これからは川でいくか。実はこんど友人に川に連れて行ってもらう予定なのだが、山以上にクマの恐怖があるそうだ。4人ぐらいで行くのがベストかな。釣りもやってみたい、といったら「素人には無理」とたしなめられた。とにかく今日は仕事。来週もなんやかや「シバリ」がかかって自由気ままとはいかない日々が続く。 7月24日(月) 毎日のように地震。いろんなことを考え、夢を見ても地震のたびに虚無感に引き戻されてしまうのが、つらい。これが後遺症なのだろう。でも3.11の震災以前から地震には敏感で、家族には「過剰反応」と笑われてきた。グラッとくると身体のセンサーがものすごい勢いで最悪の事態を想定した反応と混乱を同時に引き起こしてしまう。どんなに小さな地震でもセンサーは同じように作動する。震度1でも何度も続くとヘトヘト。今日の夜中の地震もダメ、すっかり目が覚めてしまった。 7月25日(火) 数年前に比べて自分の仕事場から出るゴミの量が2,3倍に増えている。仕事場で「生活している」からだ。前は飲食や雑用事は外や家ですることが多かったが、最近はたいていのことは仕事場で済ませる。これってどうなんだろう。仕事場がどんどん生活の場に近づいて、しまいには仕事なのか生活なのか自分でもわからなくなる……って、ある種の仕事上の理想なのかも。それにしても1日に2回もゴミを出す日常は問題だなあ。 7月26日(水) 去年の秋、1ドル87円前後の時に急に高くなったドルをトラベラーズチェックで買い、その使い残しが1500ドルほどある。77円の今、もう永久に換金は無理かも、と絶望的な気持ちになるが、個人的に円高は悪いことばかりではない、と思っている。ノルウェイのテロ犯人が銃を構えてポーズを決めていた写真で着ていた「スキンズ」というスポーツウエアーは、山でいつも小生が着ているもの。複雑な心境だ。そういえば北欧の会社の製品だったな。今週の「週刊ニュース・1本勝負」は「ヤノマミ」というアマゾン・インディオの本を取り上げたのだが、うかつにも「ヤマノミ」と誤植。その間違いをいち早くメールで指摘してくれたのは、なんと同じアマゾンに住む日系人のTさん。地球の反対側から恐縮です。いやはや周辺がなんとも国際的で、秋田にいても退屈しないッス。 7月27日(木) 山頂で友人がマシュマロをとりだし木の枝にさしてガスコンロで焼いた。ごげ目のついたマシュマロの上にさらにチョコレートをのせ食べはじめた。アメリカではバーベキュ―の定番だ、とアメリカ生活の長い友人はこともなげに言った。悪い冗談だと思った。後日、若い女性たちにこの件を話したら「私たちもよくやります」と鼻であしらわれた。えッホントなの、知らなかったのオレだけ。焼いたマシュマロは確かに綿菓子のような舌触りで、まずくはなかった……いや、これって悪夢だろ。オレ、みんなと違う世界に生きてきたわけ60年間も。 7月28日(金) エコとも節電ともまったく関係ないのだが、今年に入って事務所の蛍光灯を3分の一に減らし、2階を断熱窓に替え、冷蔵庫を小さくした。今年5,6,7月の電気代と去年の同じ時期を比べたら、なんと3分の一に減った。何度も言うがエコにも節電にも興味はない。身辺のムダをそぎ落としたい欲求が年と共に強くなっているだけ。今年後半は資料庫を何もない畳だけの「瞑想部屋」に替える予定だ(小料理屋風小上がりをつくるつもりだろうと邪智する人もいる)。とにかく何もないシンプルな状態に憧れる。 (あ)
|
●vol.555 7月2日号 | ●vol.556 7月9日号 | ●vol.557 7月16日号 | ●vol.558 7月23日号 |