Vol.572 11年10月29日 週刊あんばい一本勝負 No.565


広告の時期、出張のバック

10月23日 いやはや寝室のカメムシ臭に寝不足の毎日だ。今日の朝、たぶん布団に原因があるのでは(日干しした時に付いた)と、布団を部屋の外にだしてみたが、まだ臭う。アッそうか、ここでようやく気がついた。暖冬用マットが犯人だった。外の倉庫に入れて置いたやつを1週間前に出してきて敷いた。これにカメ公の臭いが付いていたのだ。取り除いたら臭気は霧散した。一件落着だが大騒ぎをしたせいでカミさんには孫子の代まで言われそう。今日は美郷町で本のイベントがあり、長野県高遠町で古本で町おこしをしている人と対談のお仕事だ。山は2週連続パス。来週は出張だらけ。山は当分いけないかも。

10月24日 今週は出張続きだ。頭を悩ますのが旅行用バック。ジーパンでもスーツでも不自然ではない旅用カバンって、ないもんだろうか。ずだ袋系トートバックが好きなのだが、これは手持ち部分が長くて歩くときに負担が大きい。コンビニやネットの影響で旅そのものが軽便短小になっているので、取っ手の付いた紙袋が一番かなと思っていたのだが、最近仙台・丸善で丈夫なビニール製本入れバックと出あった(1500円)。大きさといい軽さといい丈夫さといい一泊二日の旅にはちょうどいい。当分はこれでいこうか。

10月25日 地元紙や全国紙への広告掲載も終わって少しホッとしている。来月も河北や岩手日報の1面全3広告が残っているが、これはまだ先の話。全国紙(朝日と読売だけだが)への出稿は値段が値段なだけに、枠は小さくても緊張感はかなりのもの。零細版元には年に1,2回が限度だが出すと決まって昔の友人や同級生、思わぬ人からお便りをいただく。これは広告効果の一つと言っていいだろう。今回はどうかな。まあ高いお金を出して年賀状を出しているようなもの。日頃のご無沙汰をお詫びする気持ちもあるしね。

10月26日 名古屋出張を終え、中部国際空港から飛び立って眼下を見下ろすと見たことのない巨大な山塊が広がっていた。快晴なので登山道までが見える。飛騨山脈のど真ん中を飛んでいたのだ。先日間近で見たばかりの白馬岳も見えた。乗鞍は見逃したが圧巻は妙高山、外輪がすぐ目の前にあった。鳥海山もよかったなあ。頂上付近は真っ白で最近雪が降ったのだろうか。最近しばらく飛行機とご無沙汰だったが、山を見る楽しみもあるんだよな。

10月27日 今日は新刊が2点できてくる。広告が先で本が後になるケースが多く、毎日発売日の問い合わせの対応をする日々だ。そろそろ冬の新刊の準備をしなければならない時期なのだが原稿は眠ったまま。いまひとつやる気がわいてこない。心身ともちょっと疲れているのかも。河北新報社の震災本(「3.11を超えて」)の緊急出版に忙殺された影響かも。この本は来週初めには出来てくる。でもやっぱり新聞広告が先行したせいで、すべてが急かされる結果になった。もっと新聞広告の時期を慎重に考えなければいけない。

10月28日 最後の出張(青森)を終え帰ってきた。明日は久しぶりに大石岳という山に登る予定。来週も週末には山形市に行く予定が入っているが当分、大きな出張はない。じっくり腰を据えて仕事場にこもって冬用の新刊造りに取り組めそうだ。なんだかんだ言っても自分で自分を忙しくしているだけのような気もしないわけでもないが、いま「1週間好きなことをしていいよ」と言われても、結局は仕事がらみの何かをやろうとするにきまっている。仕事以外の時間の使い方が、よくわからないのだ。これも十分問題ではあるよな。
(あ)

No.565

ヤフオクでおこづかいっ!
(マイタウン)
舟橋武志

著者の舟橋さんは名古屋で古書兼出版社を営む人。もう30年以上前からの知り合いだ。お互い、これだけ長い年月、地方で仕事をしていると「地方出版」という業界の知り合いはどんどん少なくなり(死んだり倒産したり引退したりで)、いまや全国でも舟橋さんはじめ現役で活躍されている方は数人を残すのみとなった。その舟橋さん、小生より5,6つ年上で、昔から変わらずマイペース、名古屋で独自の出版哲学を持ち実践をしている奇特な人である。本書を読むとその健在ぶりがよくわかる。趣味と実益、仕事が遊びになるのがモットーで、私自身の考え方とも共通項が少なくない。本書のテーマであるヤフーオークションについては正直なところ、小生ほとんど興味はない。ないが所々で語られる舟橋さんの出版哲学や生き方のスタイル、赤裸々な生活告白には感動する。文章がうまいし、歴史への造詣が深いのも、書く文章に深みを与えている。基本的に「楽しみながら、こづかいも稼げる」なんていう「うまい話」はあるわけがない。こうした場所で勝ち抜いていける人というのは、徹底的にそのことに対して知識や技術を磨いた人たちだ。舟橋さんはその知識や技術を持っている。だから他の人は真似しても無理なのだ。

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