Vol.65 沖縄特集号 | 週刊あんばい一本勝負 No.62 |
総勢8人の舎員旅行 | |
ここ数年、仙台までの高速道が整備されたので仙台空港から海外(アジア)に行くパターンが舎員旅行の定番だったのだが、今年は「なんとなく」沖縄に行こう、ということに決まりました。決まってから同時テロなどがおき、基地のある沖縄の県民感情のようなものを心配してGOサインを出せなかったのですが、那覇にある出版社ボーダーインクから「こんなときだからこそ、ぜひ来て下さい」とアドバイスをいただき総勢8人で(舎外から青木健作さん、藤原優太郎さんの両長老が参加)11月17日から3泊4日の日程で秋田空港を飛び立ちました。一日目は、那覇から40キロほど離れた恩納村のリゾートホテル泊。夜はホテルのそばにある郷土料理の居酒屋でたらふく琉球料理を食べることからスタートしました。2日目は、レンタカー2台に分乗し、1台は本島の北部の田舎をツーリング、もう1台は那覇市内を探検しました。3日目、1台目はマングローブの森を行くカヌーツーリング、別のグループは南部の海岸線をツーリングするコースです。夜はボーダーインクの方々と那覇市内の居酒屋で合コン、2次会も民謡酒場で飲んで歌って大騒ぎでした。4日目も那覇市内の首里城を見学したり、本屋さんの視察に出たり、ホテルで長老組はぐったりしたり、それぞれ自由行動で出発時間ぎりぎりまで旅を楽しみました。那覇を去るときに24度もあった気温も秋田に着くと11度まで下がり、半そでで闊歩する私たちは奇異な視線を浴びてしまいました。やはり日本語の通じる場所の旅は行動半径が格段に広がり、いいもんですね。 (あ) | |
ボーダーインクと合コン | 泊まった恩納村のリゾートホテル |
沖縄のババヘラアイス | |
秋田名物として名をはせるババヘラアイスのルーツは沖縄、というのはほぼ間違いないようだ。今回の旅でも国道58号線を2時間ぐらい走っただけで五人の「アイスクリン売りの少女」に出会った。そのほとんどが10代のかわいい女の子たちである。アメリカではハイウエイわきにワゴン車をとめて売るアイスクリーム屋が今も健在で、それが原型のようだ。戦後すぐにアメリカ軍がはいってきた沖縄では路上にワゴンを止め、そこでアイスを売るアメリカ式の商売が早くからあったという。その日本的バージョンが道路横でパラソルを張りアイスクリンを売る少女たちなのである。写真の少女は平良さん16歳で、朝の9時から夜6時まで働いて日給4600円、アイスは150円で秋田のざらざらした味覚よりもなめらかミルキーで、うまい。アイス缶には「ビッグアイス」と商品名(会社名)が書かれていたが、どうもこのメーカーが一番の大手らしく、いたるところで目に付いた。少女たちのアイスがなぜ秋田で「婆」にばけ定着したのか、そのへんはこれからの課題だが、平良さんに「秋田ではババアが売ってるんですよ」と教えたら大笑いしていた。沖縄ではアイスはかわいい少女たちが売って何ぼのもの、なのである。 (あ)
| 平良さんが売るアイスクリン |
市場食材めぐり | |
毎年楽しみな社員旅行。なかでも私が好きなのは地元料理を食べることと市場めぐり。この二つについてはいままでの旅行で香港、ソウル、グァム、上海と各地で思いっきり楽しんで来ましたが、沖縄もなかなかのものでした。 市場の代表はなんと言っても国際通りに隣接した牧志第一公設市場とその周辺。一般向けの市場としては日本有数の規模で、沖縄の食材があふれんばかりに並んでいます。グルクンを始めとした熱帯魚のようにカラフルな魚やエビたち。また、沖縄の人には欠かせな い豚肉売り場の豊穣な景色。豚の顔がお面のようになった肉には笑ってしまいました。もちろん野菜や漬物、調味料なども山のように積まれています。ここは観光客も多いのですが客の主役はやはり地元の人たち。ですから店頭に並ぶ食材は普段テーブルに並ぶものが 中心で沖縄の人たちの生活が垣間見られます。 2階は大食堂街で沖縄料理のオンパレード。一階で買った食材を持ち込めば三品までは五百円で調理してくれます。ここで昼から沖縄料理でジョッキを傾けたのは言うまでもありません。一緒だったフリーライターの青木さんは楽しい楽しいと大はしゃぎした。 (鐙) | |
マングローブをカヌーツーリング |
沖縄本島の北部は「ヤンバル」と呼ばれ、山がちで緑が多い地域です。この「ヤンバル」南部に位置する東村に本島一の規模を持つ大きなマングローブ林があり、カヤックでツーリングをしてきました。参加したのは岩城、鐙、私(柴田)の3人。みんなカヌーは初めてではないので、何の苦労もなくフネに乗り込み、いざ出発。 マングローブが生えているのは河口の汽水域で、川の水と海の水が混ざっているのでなめるとしょっぱい味がしました。塩分がある水でも生きていける植物は珍しいそうです。少しでも多く水分を吸収しようと、根っこをたくさん伸ばしている姿がとてもけなげに映りました。ここに生えているのはオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギの3種類。そしてマングローブの根元には、高さ50センチくらいでてっぺんに穴のあいた土の山がありました。これは、オキナワアナジャコのすみかだそうです。 カヌーを降りて遊歩道を歩くと、シオマネキ(カニ)やトビハゼがちょこちょこと活動していて、オキナワアナジャコの塚も無数にありました。 普段は接することがない熱帯の大自然を、肌で感じることのできた一日でした。 (柴)
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