Vol.668 13年9月7日 週刊あんばい一本勝負 No.661


たぶん例年とはまったく違う9月になる

9月2日 夜9時前に就眠、起きたのは朝7時半。10時間半の爆睡。おかげで気分のいい朝だが、まだ身体全体にかすかな疲れが残っている。昨日は岩手・早池峰山に登る予定で前日から滝沢村入りし、友人宅に1泊、翌朝早池峰山に向かった。登山口で監視員から、5合目あたりの風が強く危険、とアドバイスを受け、急きょお隣の鶏頭山へ登ることに。代替の山だが、きつかった。早池峰山よりずっとハードな山歩きで、最後はロッククライミングまであり。前日の深酒と寝不足もたたった。早池峰ぐらい、とおもってなめてしまったのだ。山をなめてはダメ、と猛省。今週は新体制で初めての週、なにかとあわただしくなりそうだ。

9月3日 一日12時間以上働いている。えばっているのではない、嘆いているのだ。8月末でTさんが退舎。その補充をしないで自分でやろう、と決めた。この10年間、事務仕事はすべてTさんがやってくれていた。ほぼ完ぺきにこなしてくれていた。その後任が小生というのだから、無理がある。少しずつ全体像が理解できてくるのは楽しいものだが、それにしても膨大な仕事量だ。経理や受注管理は1か月でワンサイクル。9月いっぱいはこんな状態が続くのだろうか。加えて9月は小舎の決算月。いやはやもう頭がとてもついて行けない。塀の上を歩いている心境だ。

9月4日 そうか決算だったんだよな。ふんどしをしめ直して、昨日一日でほぼ9割がた決算用資料をそろえた。やればできるんだナンチャッテ。予想以上に早くすんだので、台所や資料庫、棚の整理などやりだすが、とてもこれは一日では無理。仕事用の関連物を自分が使いやすくレイアウトしなおし、無駄を排し、できるだけシンプルな仕事場に替えたい。仕事以上に厄介な作業だが、これはまあ苦行ではなく楽しみの部類。それにしても同じ仕事場をこれまで何回模様替えしてきたことか。今回が最後だと思う。気合を入れてやるぞ。

9月5日 毎朝、ねぼけ頭で「今日の出来事」を書いている。書いているうちに頭がすっきりしてくるからコーヒーのようなものだ。ここ数週間、「山の記録」や他の書かなければならないルーチンの原稿が遅れに遅れている。余裕がない。事務仕事のトレーニングがいっこうに上達しないし、決算はあるし、今年4回目のDM発送の時期にもなってしまった。これで注文が来ると膨大な処理を一人でやらなければならない。気が重い、というか考えるだけで震える。試練というには年を食い過ぎてるでしょう。いろんなことから「自由」になりたくて、嫌な仕事も続けてきたが、今、自分は何から自由になろうと、こんなにあがいているのだろうか。よくわからない。今日は月一の税理士が来る日。めちゃくちゃ緊張。

9月6日 「新人社員」(私のこと)研修が続いている。息苦しい日々だが、昨晩モモヒキーズの恒例宴会があった。いつもの居酒屋で思いっきりはしゃいでストレスを発散してきた。持つべきものは友である。たまには息抜きは必要だ。宴会の名目は「S君の献血100回記念」。いや名目は呑む口実で何だっていいのだが、今回は本当に美談。100回も献血するって、できそうでできることではない。30年以上の時間をかけた大記録だ。この次の宴会の名目は、私の研修期間(経理と受注管理)終了記念、という話も出た。酔っぱらいたちの戯言だが、これにはちょっと食指が動く。ぜひ宴会を開いてもらいたい。でも終了がいつになるのか、自分でもまったく分からない。たぶん半年はかかるような気がするのだが。それでもいいですか。
(あ)

No661

脱グリーバル論
(講談社)
内田樹他著

前大阪市長の平松邦夫氏が現役時代に開催したシンポジュームが、この本の原点になっている。平松氏が落選後も、同じようなメンバーで議論した内容をまとめたのが本書なのだ。平松氏がたち上げた「公共政策ラボ」という政策研究のための組織が主催母体である。討議のテーマは「脱グローバリズク」。具体的には新自由主義やグローバリズム的な諸政策、中国や韓国に対するナショナリステックな姿勢に対して、強い不安と懸念を抱く人たちの集まりである。こうしたまじめで一般受けしないシンポ・討論集を大手の講談社が出版するというのもちょっと驚いた。この会の中心メンバーになっている内田樹の存在が大きいのかな。本書で「はじめに」を書いている内田の「脱グローバル宣言」が、そういえば圧倒的に面白い。グローバリズムというのは、社会的弱者を守ってきた「ローカルな障壁」を突き崩し、すべてを「市場」にゆだねようとする動きだ。が内田によれば、すでに「ポスト・グローバルも始まっている。恐竜が点に向かって吠えている足もとで、小型の哺乳獣類が「次の世代」に備えて適応の用意を始めている、のだそうだ。そのへんの具体的な事例がもっと知りたかったが、若干弱かった。内田とその他の参加者の間に力の差がありすぎた。「この地に根付いた生き方」とは、「この人たちを置き去りにして、この場所を離れることができない」と思っている人間のことだ。

このページの初めに戻る↑


backnumber
●vol.664 8月10日号  ●vol.665 8月17日号  ●vol.666 8月24日号  ●vol.667 8月31日号 
上記以前の号はアドレス欄のURLの数字部分を直接ご変更下さい。

Topへ