Vol.68 12月15日号 週刊あんばい一本勝負 No.65


二つの忘年会

 12月11日、12日と連続で東京の忘年会。秋田では自分の会社の忘年会しかしないのに。11日は出版関係者の集まり「棚の会」。会場は偕成社の6階で「税務経理協会」の大坪克行君のニューヨーク留学(出版科学修士)帰国報告があり、その後のパーティである。大坪君の話はなかなか面白かった。ビジネスモデルとしての出版の未来のあり方は私にとってもこれからの課題だ。二次会で弓立社の宮下さん、米子の今井書店の永井社長と娘さんの4人で根津にあるイラン料理店「ざくろ」へ。「本とコンピュータ」を退社した永井明子さんの送別会も兼ねた小宴で、初めて食べたイラン料理の味もなかなかのものだった。とにかく怪しげな店の雰囲気がなかなかで、日本情緒豊かな下町の地下室にこんな居酒屋があるというのも面白い。12日は毎年恒例の「地方小出版流通センター」の忘年会で、これは神楽坂の「モー吉」で。小生も3回連続の出席である。体調悪く川上社長は早めに帰ったが宴席が始まると、すぐにゴハンを食べる人がいたり、元総評のオルグだったという年配の方と昔話をしたりで、楽しい東京の二夜だった。
(あ)

「本とコンピュータ」が面白い!

 雑誌は(書籍に比べてだが)ほとんど興味がない。定期購読しているのは「サライ」くらいで、これもサラサラッと目を通すだけ。が、季刊の「本とコンピュータ」は毎号隅から隅まできっちりと読み通す。この雑誌を一冊まるごと読んだ後は、しばらく本や自分の未来と真剣に向き合って考え込んでしまう。最新号もどの特集も読みごたえがある。実は昨夜(13日)、編集長の河上進さんと田端にある「がらんす」とい西洋食堂で食事をした。もっぱら1970年代のサブカルチャーっぽい話に終始したのだが、途中から河上さんの奥さんも登場、話は四方八方にはずんだ。彼女はイラストレーター兼ライターで、小生は彼女の独特の味のあるイラスト(人物画)のファンなのである。中身の濃い話の連続で、カゼ気味の体調も終わり頃にはすっかり復調していた。
(あ)

「本とコンピュータ」2001年秋号

年末恒例のDMです

  営業もする渡部七郎です。今週は恒例のダイレクトメール(封書)発送をしました。
 無明舎では1年に30点を超える単行本を作っているので、「新刊案内」と「図書目録」も毎年作成しなおします。それに合わせて、無明舎に直接本を注文してくれたお客さんに、年4回ほどダイレクトメールを送っています。
 今回、中に入れたのは「無明舎出版 新刊案内・2002年版」と、秋田県教育委員会編の『秋田のことば』、『秋田の有形文化財』、『CDROM版秋田のことば』(2003年3月刊)の案内チラシです。1通90円でおよそ1万5000通。そのほか封入作業やチラシ印刷などもろもろをあわせたダイレクトメールの経費は120万円になります。1600円の本を1000冊注文いただければトントンになるムボーなものです。取次ぎや書店を通して本を売る流通がガタガタになっている現況で、お客さんに直接本を売ることが出来るかどうかは出版社の存亡にかかわります。
 発送の翌日からEメール、電話での注文が舞い込み始め、3日目から束になった注文ハガキが届くようになりました。注文の分だけ、ダイレクトメール発送の苦労が報われていきます。
(七)

今回発送したダイレクトメール

秋田で琉球居酒屋を見つけた!

  沖縄旅行から帰ってきて3週間がたち、心の中に残っていた沖縄の余韻もうすくなってきたある日のこと。秋田市内に琉球居酒屋があるという情報を聞きつけ、鐙、富山、柴田の3人で行ってみることにしました。
 会社から車で30分ほどのところに、その琉球居酒屋「リトル沖縄」はありました。この店の事を教えてくれたNHKの記者・佐々さんとお店で合流し、ささやかな飲み会が始まりました。
 沖縄の写真が飾られ、沖縄民謡が流れる店内にいるうちに、旅行の時の感動が少しづつよみがえってきた私たち。ゴーヤチャンプル、ソーミンチャンプル、紅芋コロッケ、タコライスなどの沖縄料理を並べ、泡盛を飲みながら、旅行の思い出話で盛り上がりました。   久々に食べた琉球料理はやっぱりおいしくて、沖縄で生まれ育ったわけでもないのになぜか懐かしさを感じました。3泊4日の社員旅行はとっても充実していたけれど、次は今回行けなかった場所や島々に行ってみたいという気持ちが日増しに強くなっていきます。沖縄の出版社「ボーダーインク」の中村さんが「私は沖縄に行きたくてたまらなくなるという『沖縄病』にかかったから、沖縄に移住してしまったの」と言っていましたが、私も軽い『沖縄病』に感染したのかもしれません。治すには、もう一度沖縄に行くしかないのでしょうか…。
(柴)

湯のみ茶碗をもらいました

 国道7号を秋田市から1時間ほど南下したところにある西目町に倉田鉄也さんという陶芸家の工房があります。先日、ここにドリナビの取材でお邪魔してきました。外のバケツの水が凍ってしまうほど寒い日でした。撮影が終わった後、倉田さんが作った湯のみ茶碗でお茶をいただきました。この湯のみ茶碗がとても使いやすく、初めて持ったのに手になじんでいて何年も前から使っているような感触がありました。帰り際、倉田さんが「自分が使った茶碗を持って帰っていいよ」とおっしゃった時には、嬉しくて大騒ぎしました。実は、モデルの2人と私はこの茶碗を気に入ってしまい、飲み終わって茶碗に何も残っていないにも関わらず、茶碗を返したくなくてずっと手に持っていたのです。その日から私専用の湯のみ茶碗として、毎日活躍しています。不思議なことに同じお茶でもこの茶碗で飲むと味が違うのです。
(富)

これがその茶碗です

No.65

明治という国家・上下(NHKブックス)
司馬遼太郎

 事務所のすみっこに本書が2冊ちょこんと鎮座していた。だれかが資料のためブックオフから2冊900円で買ったもののようだ(シールが張ってある)。立ったまま何気なくページをくくりはじめたら止められなくなった。「明治」という時代を廃藩置県という事件や西郷,勝といった人物に集中的にスポットを当て、けっして大風呂敷(拡散)にならないように語ったもので、「飽きない話題をつなげてうまく構成した」司馬流歴史講談になっている。放送された番組の文章による焼き直しなのだろうが、こうした口語文体のほうがテーマやジャンルによては、なじみやすい場合もある。長年、疑問だったが恥ずかしくて人には訊けなかった「武士にとって不利益な廃藩置県がすんなりと施行されたのはなぜ?」ということが本書ではじめて理解できた。この本の元になった番組が吉田直哉プロジューサーの『太郎の国の物語』と知って納得がいった。司馬にこれだけのものをテレビで語らせるためには、それ相応の人物がテレビ側にいなければ不可能だからだ。番組もいつか見てみたい、と思わせるほど面白い本である。

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