Vol.682 13年12月14日 | 週刊あんばい一本勝負 No.675 |
予定通りには何事も進まない | |
12月7日 いろんなことにバタバタしているうち肝心のHP書評や山紀行原稿のストックがカラカラ。今日1日がかりでストックを作る予定。それに毎月初めは税理士事務所が経理チェックにくる。この日がユウウツだったが、なんと今月は何の問題もなくクリアー。チョーうれしい。逆に受注管理は1円2円の違いがあっても銀行事務的な膨大な作業調整が必要になり、あいかわらずビクビクしながらPCに向かっている。いつになったアクビまじりで作業ができるようになるやら。でも全体的にはスムースに仕事が回っている。このまま大きなトラブルなく、年が越せるといいなあ。 12月8日 山帰りに神岡町にある酒蔵「刈穂」を久しぶりに訪ねた。いつ来ても清潔でよく片付いている蔵だ。昔、よくこの蔵に県内外の人を案内したことを思い出した。まだそんなに有名ではなく全国区になる前のことだ。蔵の奥には昔ながらの六つの船(もろみをしぼる箱)があった。京都の有名な料亭の主人Hさんを案内した折、彼はこの船をみて驚愕、自分の店のプライヴェート酒に「六舟」と名付け、この船を残すように懇願した。これがきっかけで刈穂の大ヒット商品「六舟」は生まれた。Hさんが訪ねたとき酒蔵ではこの古臭い船を廃棄するた寸前だった。ここで思いとどまった酒蔵の見識も称賛に値する。その船がまだちゃんと残っていて現役で活躍をしていた。ちょっぴり昔を思い出し、感傷的になってしまった。 12月9日 さてさて今週は忙しい。冬のDM発送が来週からはじまるし、人の出入りも激しくなる。みんな人恋しいころあいだ。そうか来週からはボツボツ忘年会も始まるな。忘年会は3回以下に、と勝手に決めているのだが、しがらみだらけの窮屈な忘年会はもう卒業、回数が増えても悩む必要はないものばかり。嫌いなやつと呑む酒ほどまずいものはない。体重も10キロ減はキープしているし、この時期1,2キロの増減は大目に見てもらおう(って誰に向かっていってるのか)。今週は久しぶりに東京出張もある。渋谷のイメージフォーラムで映画『世界一美しい本を作る男』を観るのが楽しみ。もちろん仕事もちゃんとするけど。なんだか最近、余裕だなあジブン。 12月10日 連日雨が降っている。1週間のうち散歩ができる日は2,3日あれば御の字。そんな状態がひと月近く続いている。散歩をするのとしないのとでは1日の充実感がまるで違う。散歩はもう生活の一部なので、できないとなると、なんだか身体に毒素がたまり続けているような不快感がある。本来は、この雨が雪になるのが時間的には自然だ。そう考えれば雪と雨、どっちがいいのか迷ってしまうが、まあ、雪が遅くなっているというのは、そう悪いことではない。雪と雨の最も大きな違いは散歩ができるか、できないか、だけだ。去年の今頃はもう盛大に雪が降っていた。だから大雪さえ避けられれば、いつ降りだしてもこちらはOKなのだが今日も肩すかしの雨だ。 12月11日 いま電車の中で日記を書いている。久しぶりの東京出張だが、仙台経由。一仕事を終えてから東京に向かう。東京でひとつ用事をすませ、夜の9時から息子と青山でメシを食う予定だ。それにしても9時の夕食ってあんまりだが、この時間帯にしか予約の取れないレストランなのだ。それほどまでして食いたい料理なの、と言われそうだが、表参道にあるバルバコアというブラジル料理屋で、シュラスコという肉料理を食べるのだ。この店にはもう20年以上通っていて個人でも会社でも数えきれないほど利用している。家族でも行く機会が少なくないのだが、最近は流行りのようで、めっきり予約が取れなくなってしまった。ま、それはともかく、問題は9時までどうやって空腹と時間を潰すかが大問題だ。 12月12日 東京はまるで別の国みたいだ。まず天気が違う。青空があたりまえの世界なのだ。電車に乗っている人も、食堂で飯を食っている人も、本屋で立ち読みをしている人も、これが当たり前の「世界」だと思って、生活を享受している。そうだろうか。東京は、寄ってたかってでっち上げた架空の擬似ユートピアのようなものではないのか。なにをみても砂上の楼閣ッぽく感じるのは、こちらの単なるヒガミなのだろうか。毎日が曇天、本屋もレストランもデパートもない場所で暮らす人びとは、この大都市を観て、ふてくされるしかすべはない。青山のミニシアターで観た『世界一美しい本を作る男』は、おもしろかったが、まあこんなものか。金持ち作家たちの特装本をつくる本の職人、といった印象がちょっと強すぎるなあ。 12月13日 帰りの電車で読みだした速水健朗『1995年』(ちくま新書)が面白くて止まらなくなった。この人の『ラーメンと愛国』もめちゃ面白かったもんな。ある時代を輪切りにして「時代の分水嶺」として分析するのが最近の流行り。この本は著者がいいのか、やはり一味違うって読ませる。その中のエピソードの一つ。この年に出た大ベストセラー『脳内革命』の著者の医師は、その後、わけのわからない事業に手を出し、破産、本の内容もオカルト並みの擬似科学として誰からも相手にされないのだそうだ。 12月14日 来週から冬のDM返送注文が入りはじめる予定だった。その日にちを計算して水木金と東京出張を入れたのだが、なんと3日前倒しでDMができ発送されてしまった。東京に行っている間は静かだと思っていたのに留守番電話には何本もの注文が。いやぁ申し訳ない。うまくいかないもんだ。まあピークは来週になるのはまちがいないから本番は来週だ。計画してもその計画通りに物事は運ばないいい例になってしまった。今日は「山の学校」の山の神への感謝祭。ピザの窯が完成したそうなので、美味しいピザを食べられそうだ。 (あ)
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