Vol.786 15年12月26日 | 週刊あんばい一本勝負 No.778 |
そろそろ来年の予定が入り始めて…… | |
12月19日 例年なら忘年会は3〜4回なのだが、今年はそれに2,3回プラスになりそう。これはサンパウロ(シカゴも)から訪れた友人家族や、暮れも押し迫ってから本を出した友人のお祝いの会とか、予想外のものが増えたせい。今日の夜も脳性まひの中学教師S君と新聞記者の3人で忘年会だ。昨日も一昨日も飲み会なので、今日で3連チャン。さすがに少し呑み疲れか。自分で作ったおいしい味噌汁が飲めたい。大量にいただいたシイタケの「うま煮」を作りたいのだが時間がない。そんなわけで連日外食続きだが不思議なことに体重は減り続けている。栄養バランスが崩れているためなのか、ホスト役の「気やせ」(こんな言葉あったっけ)なのか、よくわからない。反動が怖いが忘年会でダイエットできるならこれに越したことはない。 12月20日 忘年会の山場は超えた。あとは年末東京で数回をまとめてこなせば予定は終了。忘年会続きでわかったのだが、多人数で呑んでいると案外食べないことを発見した。ドカ食いするのは一人呑みの時だ。一人呑みには要注意。カミさんの退院は23日に決まった。結局1か月+1週間の長きにわたる入院生活になってしまった。冬DMの注文もピークが過ぎた。新刊は少なく、既刊本セールで何とか売り上げを確保しているのが現状だ。来年の出版界はもっと厳しい状況に直面しそうだ。山歩きも今年はもうない。雪山ハイキングが楽しみなのに肝心の雪がないのだからどうしようもない。 12月21日 大学生のころサミエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」という戯曲を読み、衝撃を受けた。この時の体験が不条理劇や前衛表現好きになるきっかけだ。「田舎者は前衛好き」とよく言われる。その例にもれない田舎者のまま、今に至ってしまった。先日観た映画『ニーチェの馬』の衝撃が残っている。ゴドーを読んだ時と似た感情が映画を観て蘇った。映画は不条理でも前衛的なお話しでもない。描かれた世界は貧困や荒れる自然を前にじっと耐える農夫とその娘の暮らしを描いたシンプルなもの。うまく言葉では言い表せないが、不思議な余韻を残す、忘れられない映画になった。 12月22日 大量のシイタケをいただいた。カミさんがいないので自分で料理することにした。その半分を使ってすごい量の保存用「うま煮」を作った。麺類などの具材になるし酒のつまみにも使いまわしがきく。残りの半分は味噌風だしでしめじと合わせ「卵とじ」。これを肴にいっぱい。もう1品はシイタケにマヨネーズとチーズをのせてオーブンで焼く「マヨ&チーズ焼き」。酒はウイスキーのソーダ割。そのウイスキーが来年4月から10パーセント以上値上がりするようだ(サントリー)。毎日飲むサントリー角瓶は1000円あれば1本買える。これはちょっと信じがたい値段だ。今日の「シイタケ料理」は「こんにゃくのさっと煮」に挑戦してみるつもり。こんにゃく料理を作るのは初めてかも。 12月23日 今日カミさん退院。36日間の不在だった。もともと「自分のことは自分でやる」というのが互いの信条なので、どちらかがいなくて困るということはない。それでも生協の注文だとか、カミさんの交友関係の人からの連絡・返信とか、施設に入っている義母の世話とか、不在だとペンディングせざるを得ないことも少なくはなかった。個人的にはけっこうリラックスしてマイペースで過ごせた日々だった。とりあえず今日は「引っ越しそば」ならぬ「退院そば」でお祝い。そばは秋ノ宮の「神室そば」。店舗を持たず農閑期の間だけそばを打って届けてくれる宅配専門ソバ屋さんだ。年越しそばもこの神室そばで、そば好き一家としてはずいぶん助かっている。 12月24日 今年の10大ニュースが紙面を賑わせはじめた。全国規模の10大ニュースはピンとこないし、秋田県のそれも人ごとのよう。個人的には自分だけの10大ニュースを新しい手帳に書き移すのがこの時期の慣例だ。出版界の10大ニュースも業界紙(出版ニュース)に発表されていた。1位は「安保法案成立」。2位は「栗田の民事再生」、3位は「ツタヤ図書館指定管理問題で、以下『絶歌』出版問題、ピケティ・ブーム、「火花」フィーバー、紀伊国屋の村上本買い切り、シャルリー・エプド事件、ジュンク堂BF中止問題、軽減税率有識者会議発足……と続く。世間とはセレクトがずいぶん違っていて興味深い。特に8位に入ったテロ風刺問題は出版界の表現の自由に波紋を投げかけた。「絶歌」も同じ問題だし、ジュンク堂のBF中止も同じ流れの中。10のニュースのうち3つが「表現の自由」にかかわる重要な問題だったのが今年の特徴だ。 12月25日 外は雨。いまだ雪はなし。寒くない師走なんて……。新入社員は車で県外へ。ひとりで留守番だが、こんな日は閉塞感が半端ない。雨が降っているうえに車がないのだから身動きがとれない。どこにも行けないとわかると無性に買い物や用事を足しに外に出かけたくなるから、困ったもの。散歩に出かけられないダメージも強い。身体にカビがはえてくる。このところ順調に体重は低いところでキープしている。お正月もこの状態のまま乗り切りたい。年を越してからの仕事もボツボツと入りだした。そろそろ気分を来年モードに切り替え始めようかと思っている。 (あ)
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