Vol.91 02年5月25日号 週刊あんばい一本勝負 No.88


魚が安い

 ここのところ立て続けに取材先近辺でで安い魚が手に入り喜んでいます。まず最初は秋田県男鹿市船川港にあるカニ専門店。船川に住む友人に教えられて取材の帰りがけに行ってみたところ、かなり大きめのズワイガニが1匹千円です。手に持ってみるとずしりと重く中身がぎっしり詰まっていることが分かり2匹買ってきました。その3日後、男鹿市の真山神社に取材に行った帰り、男鹿中にある宮崎鮮魚店に寄ってみました。ここは魚が安くて有名な店です。今年大豊漁のマダイですが50センチほどの天然物で1匹千円。刺身用にさばいてもらい(もちろんサービスです)、ほかに丼に山盛り一杯ほどの海ツブとタコの刺身を買って、驚きの安さで合計1,750円。そして今週の日曜日、青森県境にある八森町に撮影に行き、漁港にある魚市場に寄って本マグロの中トロのサク、大ヒラメの刺身用縁側、またまた海ツブ、ホヤの塩辛、煮魚用の小ダイなどを買って合計3,000円ほどでした。
 これらを肴に酒を飲むのが楽しみで家に飛んで帰りました。こんなおいしいものをこんなに安く食べていると、外に飲みに行く気がしなくなってしまいます。秋田の魚も捨てたもんじゃないですよ。
(鐙)

土日と祭日だけ開く八森の魚市場

土木研究所に行きました

 制作中の「月山ダム写真集」で使う「水理模型実験」の写真を借りるために、茨城県つくば市の土木研究所に行ってきました。月山ダムを建設するときに実験に携わった方々が案内してくれましたが、初めて行った土木研究所で見るものは驚きの連続でした。事務所で挨拶をしたあと、「では、車で案内します」と言われ、「同じ敷地内なのにどうして…?」と思っていたら、なんと水理模型実験の施設までは2kmも離れているのです。途中、実物大のトンネルがありました。トンネルの中で本物のバスを爆発させ、通気、換気のシステムを調べる実験などをするそうです。また、高速道路のような広い舗装道路があり、そこでは時速100kmで車を走らせたとき、カーブと傾斜によって車がどこを通るのかを実験していると聞きました。普段何気なく通る道路やトンネル。その設計、建設の裏にこんな大掛かりな実験があるとは知りませんでした。
 目的の水理模型実験施設では、工場のような大きな建物の中に色々な種類のダムの模型が並んでいました。ダムと全く同じ設計のミニチュアを作り、水を流して問題ないかを調べるのです。実験の結果を見ながら計画を変更したりするそうです。写真を借りるために行ったのでゆっくり見学をすることは出来なかったのですが、もしもう一度行く機会があったら、もっといろんな実験を見てみたいな、と思いました。
(柴)

羽州街道・緑のトンネル

 ラルート23号の取材で、秋田県北部の鷹巣町綴子地区に残る、むかしの街道を歩いてきました。ギネスブックにも載ったことのある、世界一の大太鼓をひくお祭りで有名な綴子地区。ここに江戸時代の羽州街道が1・3kmも残っています。街道として使われなくなってから130年ほどたち、これまでは放り投げられたように、草ぼうぼうでした。それを、世話人の藤島康一さんをはじめとする、地元の歴史に興味ある人たちが手をかけて、風情ある街道に生まれかわらせました。この日は、自分たちの整備した羽州街道の散策を楽しむメンバーとともに、緑のトンネルを通る幸せな気分を満喫してきました。
(七)

おらたちの街道はいいなあ

おからドーナツ

 先日、取材で青森県との境にある八森町に出かけました。秋田市からは車で1時間半ほどかかる港町です。八森町を通る国道101号沿いに、松岡食品というお豆腐屋さんがあります。地元産大豆と天然にがりを使ったお豆腐がおいしいのですが、何と言ってもおすすめは「おからドーナツ」です。甘さ控えめで油っこくないので、3個くらいは平気で食べてしまいます。取材から1週間経ちますが、今この紹介文を書いているうちにまた食べたくなってきたので、明日にでも買いに行ってしまうかもしれません。もし通りかかったらぜひ立ち寄って、揚げたてのドーナツを食べてみてください。
(富)

ここでおからドーナツが買えます

No.88

古本屋おやじ(ちくま文庫)
中山信如

 東京の三河島にある稲垣書店は映画書専門古書店として有名である。著者はこの稲垣書店 の店主である。4部の日記が面白い。小生も古物商の免許を持っているので古本屋さんの 世界の入り口付近のことを少しは理解できる。約5年間、20代前半にこの業界で飯をく った(というほど熱心ではなかったが)経験があるからだが、今も古本屋という職業には いわくいいがたい魅力を感じている。とにかく一人、というのがいい。一人で何もかもで き、現金商売、資本がかからない。信じるのは自分の目と鼻、安定よりも冒険の日々、と いうあたりが気に入っている理由である。古本屋の親父たちはよく昼酒を飲んだり、気分 が悪いと店を閉めてしまったりする。それを批判的に見られたりもするが、なかなかどう して、こうした悪癖も業界の仕組みをわかると、なるほど理解できるようになる。出久根 さんには及びもつかないが著者もかなりの文章書きである。偏屈で頑固、貧乏が楽しそう な下町の中年男だが私より一年下、写真を見る限り、やっぱり、かなりふけている。

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