Vol.97 02年7月6日号 週刊あんばい一本勝負 No.94


本物のしょっつる

  先日、北海道紋別市で水産加工の会社を経営している知り合いから「ハタハタを原料にして、しょっつるを作っている会社があったら見学したい」と言う連絡がありました。しょっつるとは魚を原料にした魚醤で、能登の「いしる」やタイの「ナンプラー」の親戚のようなものです。秋田では「ハタハタのしょっつる鍋」と言う料理が盛んですが、ほとんどイワシやコウナゴなどの魚を原料にしたしょっつるで、ハタハタを実際に使っている所はほとんどありません。調べてみたところ、男鹿市と八森町に1社づつあることが分かり、今回は秋田市から近いこともあり男鹿市の「諸井醸造所」を訪ねることにしました。
  諸井さんは本来、醤油醸造業ですが個人的興味もあり数年前からしょっつる製造に取り組んでいます。諸井さんも当初は他の魚を原料に製造を開始したのですが、どうしてもハタハタだけでつくりたいと言う思いで2年前から挑戦を始めたそうです。昨年試験的に少量作ったというものをなめてみると、素晴らしい味と匂いでした。その出来具合に自信をつけ今年は大型タンク10本ほどに仕込んだそうです。原料は男鹿のハタハタと塩だけ。水や調味料、保存料など一切入れないで仕込んだしょっつるは、タンクの中でじわじわと発酵熟成中でした。今年の秋には初出荷するそうで、私も今から楽しみでしょうがありません。
(鐙)

熟成中のしょっつる

石井さんちの田んぼ

 無明舎の前には石井さんの田んぼが三反歩有りますが、周囲は全て住宅街になっているため、ここだけ別世界のように緑が広がっています。春先の田起こしから始まって田植え、除草、稲刈りまで稲の一生を、居ながらにして目にすることが出来る素晴らしい環境です。5月の田植えが終わったころには田んぼに住むカエルやドジョウを食べにウミネコ、アオサギ、カラスから果てはゴイサギまでが、順番を決めたように入れ替わり立ち替わり田んぼの中を徘徊します。昼休みに見た今日の田んぼは梅雨のさなかのこともあり水を落としていて、ドジョウが気持ちよさそうにわずかしかない水と泥の中で遊んでいました。今年も稲は順調に育っていて背丈が40センチほどになっています。毎日目にしていると稲の生育を感じませんが、4、5日出張してから目にするとわずかの間にぐんと育っていることが分かります。稲の生育や米の出来が我が事のように気になるご近所の田んぼです。
(鐙)

改訂版・道の駅ガイドブック

 初めて道の駅のガイドブックを発行したのは、1997年5月でした。東北6県の道の駅47ヵ所を掲載、写真は白黒で文章が長く、ガイドブックというより読み物といった感じの本でした。その後、道の駅の数が増えたので、2000年1月に80ヵ所の道の駅を掲載したオールカラーの改訂版を発行。1つの道の駅を見開き2頁で紹介し、ぐんと見やすくなりました。それからも道の駅はどんどん増え続け、2002年7月現在は98ヵ所。8月にはさらに新しい道の駅が登録されます。そこで、今年の秋にまたまた改訂版を出すことになりました。「もっと料理や温泉を紹介して欲しい」「パッと見て欲しい情報がすぐわかるほうがいい」などという声に応え、形式をがらりと変えることにしました。道の駅の増加に伴って成長する「道の駅ガイド」。楽しいコラムもたくさんはさむつもりですので、期待していて下さい。
(柴)

今週の花

 今週の花は赤いガーベラ、赤いアルストロメリア、白いレースフラワー、スカシユリ。スカシユリはまだ固いつぼみなので、何色か不明です。アルストロメリアの別名は「Lily of the Incas(インカのユリ)」。名前から予想できるとおり、原産地は南米です。本当にインカ帝国に咲いていたかどうかはわかりませんが、和名の「ユリズイセン(百合水仙)」よりは想像力のあるネーミングだと思います。花びらが変わっていて、外側に4枚、内側に2枚ついています。さらに特徴的なのは表裏逆についている葉っぱです。茎から出る時点では裏側が天を向いていますが、すぐにねじれて表側が上になります。花屋で見かけたら、よく見て、さわって確かめてみてください。
(富)

No.94

図解!最新スポーツトレーニング(宝島文庫)
別冊宝島編集部編

 書き下ろしではない。これまで別冊宝島に発表された文章を集めたもので、章毎に文体が違っていたり、テーマが一貫していなかったり、重複があったりと問題もある。しかし柱は「マフェトン理論」と「初動負荷理論」である。「マフェトン」は要するにエアロビクス運動をもっと深く(医学的に)進化させたもので、インシュリンや脂肪、炭水化物、筋肉、食事とトレーニングの相関関係をわかりやすく解説したもので参考になる。「初動」の方は鳥取の小山裕史がはじめたトレーニング理論で、これは理解出きるもののあまりに細部に神が宿っている理論のため実践するのは難しそうだ。いくらトレーニングしても痩せなかったり、怪我をしてしまう人のためには「マフェトン理論」は圧倒的に効果がある。特に「水」の効用は勉強になった。スポーツドリンクは糖質が3パーセントと高く、これをトレーニング前に飲むとインシュリンが働くので、結果として炭水化物ばかりが燃え肝心の脂肪燃焼が起こりにくくなる、という説は新鮮だった。いつでも水を持ち歩いて、1日2,3リットルぐらい飲みなさい、ということで、これはこれで説得力がある。巻末に はウエイトトレーニングの図解入り解説もある。

このページの初めに戻る↑


backnumber
●vol.93 6月8日号  ●vol.94 6月15日号  ●vol.95 6月22日号  ●vol.96 6月29日号 
上記以前の号はアドレス欄のURLの数字部分を直接ご変更下さい。

Topへ